「脱原発」衆院選の争点に! 押し込む野党、岸田政権で後退? する「再エネ」推進

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岸田政権の顔ぶれは「原発推進」色が鮮明

   さて、岸田政権は、「原子力ムラ」とつながるキーマンが要職に就くなど、顔触れからして「原発推進」の色彩が鮮明だ。

   電力業界などが最も歓迎し、期待するのが甘利明・自民党幹事長だ。麻生派ながら総裁選で岸田氏を全面支援し、安倍晋三元首相とも近く、安倍氏、麻生太郎副総裁、甘利氏と合わせて「3A」として、菅政権時代から「陰の実力者」の呼び声高かったが、幹事長就任で「事実上の『甘利内閣』」ともささやかれる。政策的には商工族の中心メンバーで、「原子力ムラのドン」の一人。実際に、原発のリプレースや新増設を訴える自民党の議員連盟でも最高顧問に就いている。

   「甘利氏の一番弟子」(大手電力)とも言われ、総裁選で岸田氏の推薦人にもなった山際大志郎経済再生担当相は原発推進の急先鋒で知られ、国会では「原発を使い倒さなければ、カーボンニュートラルはできない」(21年2月、衆院予算委)などと述べている。

   総裁選で、菅政権がまとめた件のエネルギー基本計画を見直すと訴えた高市早苗氏は政調会長に就任した。政策立案を仕切る責任者だ。

   さらに、政治家ではないが、元経済産業事務次官の嶋田隆氏が首相政務秘書官に起用されたのは、驚きをもって受け止められた。政務秘書官は、各省から派遣される事務秘書官とは別格で、小泉純一郎政権の飯島勲氏のようにもともと、首相に仕えてきた秘書がなる例も多いが、「安倍1強」を首相の政務秘書官などとして支えた今井尚哉氏が経産官僚出身だったのに続く就任。ただし、事務方トップの事務次官まで務めた後の就任は極めて異例だ。ちなみに、嶋田氏と今井氏は経産省1982年入省の同期という関係でもあり、今井氏が推薦したとの見方もある。

   嶋田氏は11年の東京電力福島第1原発事故を受けて設立された東京電力再建を主導する原子力損害賠償・廃炉等支援機構の事務局長や東電の取締役などを歴任し、東電国有化、分社化など改革を推進し、東電内の守旧派と激しく対立してきたとされる。むろん、バリバリの原発推進派だ。

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