点検!「ワクチンパスポート」の導入 海外に見るメリット・デメリット、日本ではどうなる?

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   新型コロナウイルスのワクチンを接種した人などを対象に公的な証明書、いわゆる「ワクチンパスポート」を発行して、経済の正常化につなげようという試みが日本でも動き出した。

   政府が2021年10月から始めた「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験が、この一環だ。欧米では接種証明などを積極的に活用する動きが広がり、効果も出ているが、問題点も少なくない。

  • ワクチン接種の進展で、経済活動が世界中で再開しつつある
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積極的なEU 経済活動を押し上げる

   「ワクチンパスポート」は、ワクチンを接種済みだったり、コロナが陰性だったりする人に政府や自治体が発行する「証明書」のことだ。

   証明書を持っている人は感染リスクが低いとみなし、さまざまな規制を緩める。具体的には、証明書を持っていれば、飲食店や大型イベント、スポーツジムなどへの入店・入場や、県境を越えた旅行などが自由にできるようになる。

   ワクチン接種で先行している欧米では、すでに多くの国で接種証明の仕組みが導入されている。特に欧州連合(EU)の対応は積極的だ。EUはワクチンを2回接種した人や、PCR検査などで陰性だった人などに「EUデジタルコロナ証明」を発行。EU域内を往来する際、スマホなどに取り込んだコロナ証明を携帯し提示すれば、隔離措置が免除される。

   EU域内の往来だけでなく、加盟国それぞれの国内でも証明書を広く活用し、飲食店や映画館などに自由に出入りするのを認めている。EU以外でも、イスラエルやシンガポール、米国のカリフォルニアなどの一部の州で活用され、コロナ禍で冷え込んだ経済活動を押し上げる効果も認められている。

   一方、こうした証明書を「パスポート」と呼ばない国は多い。証明書を所持することが義務のように受け止められれば、病気などでワクチン接種ができない人への差別につながりかねないからだ。

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