コツコツと首位固めの一橋大 猛追する早大と明大、足踏みの同志社大、慶大(第20節)【FX大学対抗戦 Bグループ】

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   第20節(2021年10月4日週)を迎えたFX大学対抗戦。Bグループは、一橋大学のボンゴレさんが頭一つ抜けた。これまでスワップポイントでプラスを積み上げる戦略がハマっており、今週もコツコツと利益を積み上げた。

   早稲田大学のNAKAMURAさんが100万円割れから猛追。「これまでで最も長期間、かつ高利益のトレード」と、勢いに乗ってきた。明治大学の佐藤諒さんは、保有していたカナダドル/円を売却。利益を得たものの、「焦ってしまった」と不満げなようす。

   スキャルピングが好調な同志社大学のFOXさんだったが、今週は苦戦を強いられた。「先週通用した感覚がまったく通用しなかった」と唇を噛む。巻き返しを狙う。慶応義塾大学の2Gさんは、授業が本格的に始まったことで多忙となり、今週は取引を見送った。

  • 一橋大学を追撃! 早稲田大学、明治大学が前進、同志社大学は一歩後退
    一橋大学を追撃! 早稲田大学、明治大学が前進、同志社大学は一歩後退
  • 一橋大学を追撃! 早稲田大学、明治大学が前進、同志社大学は一歩後退

これまでで最も高利益のトレード(早稲田大学 NAKAMURA)

   FX大学対抗戦をご覧のみなさま、こんにちは。早稲田大学3年のNAKAMURAです。

   まず、今週(10月4日週)の振り返りをしていきます。9月16日15時37分(グリニッジ標準=GMTプラス3。9月13日週のGMT+0を+3に訂正) 、米ドルを0.3Lotでbuy(買い)し、10月11日10時53分(日本時刻16時53分)にsell(売り)決済で9万4560円の利益となりました。残高は108万4455円となります。これまでで最も長期間、かつ高利益のトレードとなりました。

   10月8日にあった9月の米雇用統計は市場予想値が雇用者50万人増、失業率が5.1%であったのに対し、結果は19万4000人増、4.8%と市場予想値を大きく下回りました。米失業保険申請件数は大きく減少しており、雇用回復が期待されていたところの反動でした。

   雇用については、先週の記事でも触れたとおり、人手不足が深刻化しており、11月決定・12月開始と予想されている、テーパリング(量的緩和の縮小)の議論に影響するでしょう。

   失業給付の拡充が全米で打ち切りとなり、デルタ株懸念等で雇用の不透明感が残ります。

   また、懸念されている米債務上限の問題については、12月上旬まで延長することで与野党が合意しました。

   これまで、米国債のデフォルトリスクの懸念により9月下旬から金利が急上昇し、株価の下落もみられていました。10月4日時点でNASDAQは約3か月ぶりの安値となっており、人手不足、材料不足、物流遅延といった供給制約、サプライチェーンへのストレスを原因とするインフレ圧力や利上げへの警戒が背景に表れていました。しかし、こうしたリスクオフモードのなか、今回の合意によって市場に安心感がもたらされ、株価の上昇がみられました。

   全体感としては、円安が進み、なんと113円台になりました(10月11日時点)。ガソリン価格が1リットル当たり200円超えしているのを見ましたが、円安や原油高騰の影響が考えられます。今後の展開に注目していきたいです。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
米雇用統計の後のドル円の買われ方を見ると、市場は押し目待ちだったことが確認できました。多少悪い結果が出ても、金融引き締めは大きくブレないとしてドル買い意欲が旺盛だと分かります。何より、商品市場の高騰もあり物価が上がる見通ししかないわけですから、金融緩和をしている場合ではありません。
つまり、これまで以上に金融引き締めを行わないといけない理由が出てきたわけです。ドル円の次の大きな節目は115円ですから、市場はそこに向けて買い進んでいるようです。過去10年にない物価高の中で、想像以上のインフレが予想されるため、アナリスト予想を見るなどして、さまざまなシナリオを押さえておくと良いと思います。

前週からの損益   プラス9万4560円
10月8日現在      108万4455円
早稲田大学 NAKAMURA
早稲田大学 NAKAMURA
早稲田大学法学部3年。株式投資クラブforwardに所属。経験不足で至らない点も多々あるかと思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです。初心者なりに試行錯誤してみますので、FXに触れたことのない方や、ぼくのようにほぼ初心者の方には親近感を持って読んでいただけると思います。よろしくお願いします!

市場はインフレ警戒でピリピリ(慶応義塾大学 2G)

   FX大学対抗戦20週目。大学の授業が本格的に始まり、生活のサイクルが大きく変わり始めた。今学期もオンラインでの受講がメインだが、その分課題が多くなると考えられる。

   結論から言うと、今週(10月4日週)は取引をしなかった。来週以降に備えて、今回も今週の流れと今後の動きを整理したい。

◆ 今週(10月4日週)の流れ

   4日からの週は、インフレ警戒がキーワードとなり、市場が神経質に動いた。原油相場が急伸し、米ニューヨーク原油先物が1バレル=80ドルに迫る動きをみせた。急速なエネルギー価格の上昇がインフレ警戒を高め、米国債とはじめとした主要国の債券利回りが上昇。株式市場に調整圧力が広がるなかで、ドル買いが先行した。

   先週来の中国不動産大手、恒大集団の巨額債務問題が未解決のまま続いていることに加えて、米国では債務上限問題も市場の不安材料となった。株安とともにリスク回避の円買い圧力も広がった。

   しかし、週後半には米債務上限について米民主党と共和党が暫定的に引き上げで合意。プーチン露大統領がエネルギー市場の安定を支援する用意と表明、原油高や株安が一服した。リスク回避の動き巻き返しが入り、ドル円やクロス円が上昇。ドル相場も一方的な上昇は落ち着いた。

   そして、週末には注目の9月の米雇用統計が発表された。雇用増が予想を大きく下回るネガティブサプライズとなり、発表後はドル売りが入った。しかし、このドル売りが限定的なものにとどまったことで、その後はドル買いが優勢に。ドル円は112円台前半へ上昇。ロンドン市場午前の高値を超えると、先月末に付けた直近高値も超えて、年初来高値を更新した。

◆ 今後の動き

   先週末の米雇用統計(9月)で非農業部門雇用者数は、予想をはるかに下回る低い伸びとなった。2か月続けて事前予想値から大きく下方向に乖離する状況だ。弱いといわれた8月分の数字(速報時点で23万5000人増、36万6000人増に上方修正)をも下回る19万4000人増という結果に、市場はいったんドル売りで反応するなど、大きなサプライズとなった。

   米連邦準備制度理事会(FRB)の2大命題である雇用の最大化と物価のターゲット付近での安定のうち、雇用についてはここ2回続けてやや残念な伸びになっており、物価が安定するようだと緩和姿勢の維持のハードルが下がるが、直近の物価高が続くようだとFRBに引き締めを求める動きが強まると考えられる。

   こうしたなか、13日に9月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。米国のインフレターゲットの対象はPCEデフレータだが、計測が煩雑ということもあり発表がかなり遅くなっている。同系統の指標で変化の傾向も似通る消費者物価指数に市場の注目が集まることが多い。物価の上昇圧力が継続するとの警戒感が広がるなか、予想前後の数字は織り込みが進んでいるとみられるが、予想を超えての上昇はドル買いにつながると考えられる。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
米国のCPIはほぼ予想どおりの結果となりました。雇用は微妙でも物価が下がらないのであれば、引き締め路線変らずドル高でしょう。
さて、筆者が気にしていることは岸田文雄首相です。就任後に、明らかに主要国の株価と比べて日本株は大きく下落しました。少なくとも、筆者が相場を始めてから6回首相が変わりましたが、初めての出来事です。海外の新聞の見出しも「岸田ショック」と書かれており、選挙前に増税を打ち出すことに疑問を持つ投資家も多いことでしょう。それゆえの日本売りとなっているとすれば、円売りにもつながります。これはドル円の上昇に拍車が掛かる要因となりますから、10月31日の選挙結果次第で120円を目指す展開もあり得るかもしれません。

前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
10月8日現在      118万3600円
慶応義塾大学 2G
慶応義塾大学 2G
慶応義塾大学商学部2年。FXは高校生の頃に少し触ったが、損失が膨らみ休止。今回のFX大学対抗戦を機に学び直し、利益を出せるように励んでいきたい。

早まった判断だった......(明治大学 佐藤諒さん)

   今週(10月4日週)は特に週末に円が弱く、各ペアは高値を更新しました。米ドル円は経済指標が力強かったことと、金利高が重なり年初来最高値となりました。週末に大きく動いたので、来週初めに反動がないか見極め、基本的には順張りでいきたいと思います。

◆ 今週のトレード

   先週から保有していたCAD/JPY(カナダ〈加〉ドル/円)を売却しました。今までの自分だったら売却しなかったと思うのですが、最近利益がとれていなかったため、早まった判断をしてしまいました。ロットを少し上げていたのも原因かもしれません。

kaisha_20211015153026.jpg
CAD/JPY(カナダドル/円) 4時間足チャート

   逆指値を赤い矢印のところにかけており、刺さってしまいました。決済後にとても強く上昇しており、取れたはずの利益の3分の1~5分の1くらいしか取れませんでした。今回の反省点は、含み益の金額によってトレードが左右されてしまったことと、過去のトレードに影響されてしまった点です。

   このトレードによって、プラス7万円になりました。

   また、8日(金)にAUD/JPY(オーストラリア〈豪〉ドル/円)をショート(売り)にロスカットしたので、マイナス1万5000円になりました。

   来週からは損が出ることを受け入れて、利益を大きくしたいと思います。狙いとしてはポンド・カナダドル・豪ドルです。いずれもロング(買い)で狙いたいと思います。

◆ 今週の取引

   先週の含み損(1万円)は解消。

CAD/JPY(加ドル円)  プラス7万円
AUD/JPY(豪ドル円) マイナス1.5万円

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
この週はカナダを選択している学生が多く、さすがセンスがあるなと感じます。カナダの原油の多くはサンドオイルであり、採算コストが高くなっています。しかし、原油価格が80ドルを超えてくるとほぼすべての油田で採算が出るため、大きな恩恵を得ることになります。これがカナダドル高につながるため、大きく上昇する背景にもなっています。
コメント時点のカナダ円は2017年9月の高値を突破しており、チャートとしては青天井の状態です。原油価格は100ドルを超えるという予想もあり、このまま上昇を続けるのであればカナダ円も堅調な相場が継続しそうです。

前週からの損益    プラス6万5000円
10月8日現在      113万5000円
明治大学 佐藤諒(さとう りょう)
明治大学 佐藤諒(さとう りょう)
明治大学商学部2年。投資歴2年。よくトレードするのはUSD/JPY(米ドル円)。東京在住です。

スワップポイントで着々と加算(一橋大学 ボンゴレさん)

   今週(10月4日週)はニュージーランド(NZ)ドルとメキシコペソの2つの通貨について分けて報告します。どちらも売りの指値注文をしている状態ですが、約定されず来週に持ち越しとなりました。

【NZドル】

   10月6日に市場の予想通り、NZ中央銀行が政策金利を0.25%引き上げて0.5%にすると発表されました。追加利上げの示唆から上昇したり、反落したりと動きが激しかったのですが、利上げがすでに織り込み済みだったこともあり、この日の夜に1NZドル=約76.5円に達してからは上昇に転じました。利益確定ラインは先週から変更せず、78.5円のままにしてあります。

   政策金利の引き上げで受け取れるスワップポイントも増えたので、もうしばらく保有する予定です。保有するポジションは増やしませんでした。

【メキシコペソ】

   保有しているポジションはどちらも約定されなかったので保有し続けます。今週のメキシコペソは対円で上昇するような目立った材料がなかった印象です。動きの殆どは新興国通貨として投資家のリスク選好に大きく左右されていたと思います。

   米ニューヨーク原油先物の下落によるペソ売りの流れとアメリカの株高によるリスク選好による新興国通貨買いとしてのペソ買いの両方があり、あまり動きの少ない週となったのではないかと推察しています。 個別の材料では7日に9月の消費者物価指数が発表されましたが、その影響はわずかでした。

   今週の結果は、スワップポイントで得た3535円です。

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
レンジ相場が続いているメキシコペソですが、9月の高値に戻ってきました。原油高で買われやすくなっていますが、主食トルティーヤの材料トウモロコシ価格の上昇が物価上昇要因となっています。興味深いのは、CFTC通貨先物市場においてペソ売りポジションが積み上がっており、2017年3月以来の水準となっているそうです。市場参加者はペソ安を強く意識しているようです。しかし、仮に今のレンジを上抜けると、これらのポジションが一斉に生産される可能性があるため、一夜にして急騰することも考えられます。

保有する通貨  NZドル、メキシコペソ
前週からの損益      プラス3535円
10月8日現在       135万7595円

一橋大学 ボンゴレ
一橋大学 ボンゴレ
一橋大学商学部2年。ふだんはファンダメンタルズ分析を通じた株式投資を勉強しており、FXは今回が初めてです。FX大学対抗戦を通じて実力をつけたいと思っています。
神奈川県出身。

「いやらしい相場」に苦戦(同志社大学 FOXさん)

◆ 今週(10月4日週)の取引

   今週は先週通用した感覚がまったく通用せず、苦しむ展開となった。

   まだまだやり始めたばっかりのスキャルピングなので仕方ないことだが、ここまで「生」の相場は常に変化しているんだということに衝撃を受けた。

   4日(月)までは先週と同じ感覚でやっていけたのだが、6日(水)あたりから1分足レベルでレンジが多発し、伸びるところが伸びず、もう伸びないのかと諦めかけた時に伸びるというような、いやらしい相場だった気がする。このこととかはほぼ自分の感覚での話なのでとても言語化するのが難しいし、それが果たして合っているのかもわからない。

   しかし週末にかけて、そのような相場に合わしていくという力も身に付けることができたので、いい勉強になった週だった。

◆ 取引は、すべて米ドル円。以下のとおり。

10月4日(月) プラス10pips
5日(火)マイナス20pips
6日(水) プラス2pips
7日(木) マイナス12pips
8日(金) プラス5pips
合 計     マイナス15pips

◆ 児山将のワンポイントアドバイス
「苦しんだ」と書かれているものの、大きなマイナスもなく、損益も1%程度の減少のため、見る限りは問題ないと言えます。正しい資金管理ができており、安定性のある運用ができているようです。
相場全体は上昇トレンドのため、前日の高値を意識し、そこを更新した通貨ペアを追いかける、いわゆるジャンピングキャッチができることもスキャルピングトレーダーの優位性ではないでしょうか。ボラティリティがある相場ですから、チャンスは多数転がっています。焦らず自身のリズムに合う相場が来れば、何連勝もでき一気に巻き返しができるかと思います。

前週からの損益 マイナス1万5000円
10月8日現在     110万5020円
同志社大学 FOX
同志社大学 FOX
同志社大学経済学部3年。好きな言葉は「人の行く裏に道あり花の山」。ワンピースと宇宙兄弟好きです。投資経験はほぼなく、初心者。20歳になって少し経って取引口座を開き、FXを初めて3か月目くらい。資金をゼロにしないようにしたい。
福岡県出身。
◆100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはクロス円取引とします。
・レバレッジは25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で資産が「ゼロ」(元本割れ)になった場合は、その時点でリタイアとなります。
・順位は、11月26日時点の運用損益で決めます。
学生投資連合USIC

「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/

姉妹サイト