夜、トイレが詰まる、あるいは水道の水漏れが止まらず困った経験はないだろうか。
トイレや水道の修理、紛失した鍵の交換、ハチやネズミの駆除......。そんな自宅の緊急事態に対応するのが「暮らしのレスキューサービス」 だが、「修理代950円から」のはずが、数十万円もの高額請求される被害が増えている。
そこで、国民生活センターが、「水回り修理『950円~』のはずが...数十万円の高額請求に!」(埋込リンク:http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20211007_2.html)という警鐘を鳴らすリポートを、2021年10月7日に発表した。
害虫の駆除で100万円を超えるケースも
国民生活センターによると、「暮らしのレスキューサービス」を巡る被害相談は年々増加しており、2016年には全国で2437件だったのが、昨年(2020年)には5882件と2.4倍に増えた。
ダントツに多いのが「トイレ修理」で全体の4割以上を占める。次いで「水道の水漏れ・配管の詰まり」、「鍵の修理・交換」、「ハチやネズミなどの害虫・害獣の駆除」などの順だ。
相談を受けた契約額の平均が一番高いのが、「害虫・害獣の駆除」で23万8000円。次いで「水道の水漏れ・配管の詰まり」の17万7000円、「トイレ修理」の17万円となっている。なかには、害虫の駆除で100万円を超える請求を受けたケースもあった。
たとえば、こんな被害相談の事例が多い。
【事例1】トイレ修理で「390円から」の広告を見て依頼したら55万円も請求された
夜に自宅マンションのトイレが詰まった。インターネット広告に「料金390円から」と記載された事業者に電話。作業員から連絡があり「勝手に自分で直そうとすると逆に詰まるのでしないように」と言われた。男性2人の作業員が到着し、高圧ポンプで10分ほど作業した。詰まりが解消しないので「便器を外して排水管を確認する。3万円かかる」と言われ了承した。「長年の汚れが蓄積した。こんなにひどいのは初めてだ。通貫作業が必要で20万円前後かかる」と言われた。他の部屋の住民に迷惑をかけてはいけないと思い、了承した。
さらに「詰まり再発防止のため、薬剤と特殊な機械による清掃で15万円かかる」と言われた。すべての作業は30分で完了、最終的に約55万円の契約書を渡された。「現金で支払えば50万円に値引く」と言われ、その場で支払った。よく考えるとあまりに高額で納得できない。(2021年4月、40歳代女性)