新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、自宅での楽しみ方を増やしたり、新しい趣味を始めたりする人が増えた。それに伴い、自宅の荷物もまた増える傾向にあり、その荷物整理をきっかけにトランクルームの需要が高まりをみせているようだ。マンション開発・販売などの株式会社アンビシャス(東京都新宿区)がトランクルームに関するアンケートを実施した。2021年10月12日の発表。
コロナ禍で、自宅にいる時間が「増えた」人は81.6%にのぼり、「今までと変わらない」の16.7%、「減った」の1.7%を大きく上回った。不要不急の外出を控えることに加え、仕事や学習・習い事、パーティーなどの人と会うシーンのオンライン化が進んだことが、自宅での時間を増やす大きな要因となっているとみられる。
コロナ禍で自宅の荷物が増えた人は7割超
調査によると、コロナ禍の影響で「自宅にある荷物の量は変化したのか」と聞いたところ、76%もの人が自宅の荷物が増えたと答えた。
また、「減った」が10%、「変わらない」という人は14.0%いたが、そう答えた人に多かったのは
「自宅にいる時間が増え、荷物を整理して減らすことができた」
「コロナ禍で増えた荷物と整理して減った荷物が同じくらいなので増減がない」
という声だった。
外出しないでも快適に生活するための物資の蓄えと、家での時間をできるだけ楽しむための道具が必要と考える人は少なくないようだ。
具体的には、「家具・家電」が増えた人が多かった。家具は模様替えや収納スペースづくり、家電は加湿器・空気清浄機の購入や、パソコンやテレビ周りを充実化した人が中心。調理家電もあった。また、在宅勤務のための「テレワークの道具・資料」があり、テレワークのスペースづくりが部屋の整理・整頓のきっかけとなっている傾向がみられた。
日用品では、マスクや消毒液などの備蓄にはじまり、トイレットペーパーや洗剤を買いだめしておく人は少なくなく、インスタントラーメンやレトルトカレー、飲み物・お酒などを備蓄して、食材を買う頻度を減らす傾向もあった。
さらに、子供のおもちゃや書籍・マンガ、ゲームなどの余暇を楽しく過ごせるモノを増やしたり、趣味に力を入れたり、ペットを飼い始めた人も多数みられ、自宅での時間をできるだけ飽きずに充実して過ごせるよう工夫したようすが見てとれる。健康維持のため、屋内運動器具を買った人も続出したという。
トランクルームを「借りた・検討した」人は4割超
そうしたことから、増えた荷物を整理する解決策として、トランクルームを「借りた」人が13.0%、「(借りることを)検討した」人が28.7%と、合わせて41.7%の人がコロナ禍をきっかけにトランクルームの利用を考えたことがわかった=上表参照。
利用者からは、
「家の中に収納場所がないし、リモートワークも増えて家の中を綺麗にして置きたいから少しでも物を少なくするために借りてみた。」(30代、会社員)
「近くにトランクルームがあったことと値段が意外と手ごろだったため。」(30代、会社員)
といった声が寄せられた。
「荷物を整理するスペースができたり、今まで活用できていなかったスペースが使えるようになった」との声も少なくなかった。
また、トランクルームを借りたきっかけの多くは、「不用品整理・処分・譲渡前の一時保管」としての利用が28.2%で最多。「友人・親族のすすめ」が20.5%で続いた=下表参照。
トランクルームは荷物の保管だけでなく、荷物を整理するための一時保管のスペースとしての使い方ができるというメリットが見込めるようだ。
一方、トランクルームを借りるのをあきらめた人は、費用面や立地面(近くにない)、出し入れが大変などの理由があった。
なお、調査は2021年6月にインターネットで実施。サンプル数は、コロナ禍における荷物の管理や対策をした300人。