岸田「中小企業的」政権の武器!?
開成出身の政治家は決して多くはないのですが、官僚は圧倒的に多く、少数の議員と官僚の計600人ほどで構成され実質的に岸田氏の応援同窓団体である「永霞会」という集まりも存在しています。
政治家にとって官僚との意思疎通は政権運営の生命線でもあり、今後の政策立案・実行において大きな力になることは確実でしょう。
また財界でも、大先輩である実業界のドンである読売新聞社主筆の渡邉恒雄氏をはじめ、後輩にもマネックス証券の創業者である松本大社長、ベンチャー界には佐々木大輔freee最高経緯責任者等々、多くのOBが重要なポジションで活躍しており、今後恐らくこれらの人脈に要所要所で協力を得ながら、チームワーク重視で政権運営に当たっていくのではないかと思われます。
岸田政権は過去の安倍政権ように、自民党主流派の圧倒的な後ろ盾を持つような政権ではないようです。むしろ大企業に相当する主流派派閥に気を遣いながら政権運営するという意味では、菅政権と同じく中小企業的政権であるといえそうです。
大企業を怒らせたら、吹けば飛ぶような中小企業が、世間の荒波を乗り越えて生き抜いていくためには、人脈とその有効活用による協力体制をもって、力強さを表していく以外にないわけなのです。それができなかった菅政権は結局短命に終わってしまったわけであり、岸田首相には、ぜひ中小企業経営者にとっても手本となるような、人脈とチームワークのあり方は見せて欲しいと思っています。あくまで一後輩として、先輩のご活躍・ご健闘を心よりお祈りする次第です。(大関暁夫)