激化する宇宙開発競争、日米中に参入企業続々......
全体に、創業以来のベンチャー精神に富んだ意欲的な挑戦という印象だが、世界ではすでに激しい競争が繰り広げられている。
中国や米国が国を挙げた産業振興に取り組んでおり、民間の参入も活発で、事業のスピードや投資規模は年々加速度的に膨らんでいる。米電気自動車メーカー・テスラの最高経営責任者(CEO)、イーロン・マスク氏率いるスペースXは中型ロケット「ファルコン 9」(一度に運ぶ衛星などは計10トン程度)を使い、多数の小型衛星を一度に打ち上げるなどライバルは100社を超えるといわれる。
国内では、三菱重工業が大型の「H2A」を運用しているほか、小型ロケットに「スペースワン」や「インターステラテクノロジーズ」という複数のベンチャー企業が事業化をねらい、後者は観測ロケットの打ち上げを成功させている。
競争は激しく、ロケット1基の開発には数百億円かかり、量産にも1基当たり100億~200億円が必要といわれるように、費用がかさむ。競争力のある他のロケットと戦うとすれば、特色のあるコア技術が必要だ。