今夏(2021年)、山岳遭難と水難は新型コロナウイルスの感染拡大により、明暗が分かれた。
警察庁が9月9日に公表した夏期(7、8月の2か月間)における山岳遭難と水難の概況によると、遭難者が増加した山岳に対して、コロナ禍の影響で海水浴場が閉鎖されていたことなどにより、水難は減少した。
山岳遭難、この5年間は減っていたのに......
今夏の山岳遭難は、前年比63件(13.4%)増加の533件、遭難者数は同56人(10.3%)増加の597人となった。このうち、死者・行方不明者数は1人減少の46人だった。無事に救出されたのは、33人(12.3%)増加の300人となった。 過去5年間の夏期における山岳遭難の発生状況をみると、発生件数、遭難者数とも減少傾向を辿っていたが、今年は増加に転じた。
一方、水難は前年比53件(10.5%)減少の451件発生、水難者数は同51人(8.2%)減少の565人となった。このうち死者・行方不明者数は50人(19.0%)減少の212人だった。 ただ、残念なことに中学生以下の子供の水難発生件数は7件(11.6%)増加の67件、水難者数は9人(8.9%)増加の110人 となった。このうち死者・行方不明者数は16人で前年と同数であった。無事に救出されたのは、5人(1.7%)減少の276人。このうち、子供は9人(12.8%)増加の79人だった。
過去5年間の夏期における水難の発生状況をみると、発生件数、水難者数とも最小となった