「サブスク、正しく理解しよう!」解約しないと支払いが続く「無料体験」が怖すぎる

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   「サブスクでいかが?」

   最近、「サブスク」(サブスクリプション=定額課金)という言葉があふれている。

   「有名ブランドバッグが借り放題」「プロのソムリエが絶対ハズさないワインを毎月お届け」「毎月届くあなた専用のYシャツ」と、なんでもサブスクで手に入る状態になっている。

   しかし、サブスクリプション型サービスとは何か、よく理解せずに契約をして痛い目を見る人もまた多い。そのため、国民生活センターは注意を呼びかけるリポート「『解約したはず!』『契約してない!』と思い込んでいませんか? 予期せぬ〈サブスク〉の請求トラブルに注意!」を、2021年10月7日に発表した。

  • 無料の動画配信サービスと思って見ていると、トンデモ請求が(写真はイメージ)
    無料の動画配信サービスと思って見ていると、トンデモ請求が(写真はイメージ)
  • 無料の動画配信サービスと思って見ていると、トンデモ請求が(写真はイメージ)

身に覚えのない請求が来てビックリする人多すぎ!

   サブスクリプション(サブスク)とは、定められた料金を定期的に支払うと商品やサービスを利用できるシステムのこと。月々の支払いが低額のため、手軽に商品が利用できるメリットがあるが、一度契約すると、利用の有無にかかわらず、解約しない限り自動的に支払いが継続されるのが特徴だ。

   注意したいのが、無料体験のケースだ。多くは「トライアル期間を過ぎても解約されない場合には自動的に有料サービスに移行する」などの条件を設けている。こうした契約内容を理解しないまま手続きを行い、請求が来てからビックリする消費者がじつに多い。

サブスクリプションのイメージ(国民生活センターが作成)
サブスクリプションのイメージ(国民生活センターが作成)

   全国の消費生活センターに寄せられる相談の大半は、「〇か月無料」の広告をきっかけにサブスクを申し込んだが、「いつの間にか有料サービスに移行していた」、また「利用していないのに高額な料金が請求された」といった内容だ。

   2021年以降、毎月500件近く寄せられており、相談者の約4割が60歳代以上。トラブルになったサービスのトップは「音楽・映像サービス」で全体の21%を占めている。

   たとえば、こんな事例が多い。

【事例1】メーカーの公式サイトと勘違いして有料質問サイトを利用し、月額料金を請求された

   プリンターに不具合が発生したため、インターネットでメーカー名を入力して解決方法を検索すると、画面に「500 円で解決できる」と表示された。メーカーの公式サイトだと思い、500円なら安いと求められた情報を入力した。後日、クレジットカードの明細を確認したら、約5000円の身に覚えのない請求があった。

   カード会社に問い合わせると、事業者名を案内された。事業者に問い合わせると、「あなたは定額会員に登録されている。クレジットカード情報を入力する画面に、トライアル期間の後に解約されない場合には、自動的に定額会員になる旨の説明がある。解約は受け付けるが初月分は返金しない」と説明された。メーカーの公式サイトだと思っただけで会員登録した覚えはない。(2021年6月、60歳代男性)

見てもいない動画配信にお金を払うなんて!

【事例2】動画配信サービスの解約を忘れ、見てもいないのに代金を請求された

   新型コロナウイルスが流行して、自宅で過ごす良い方法がないか考えていたところ、「動画配信サービス無料トライアル」の広告を見つけ、申し込みをした。その後、入会したことを忘れてしまい、1回も利用しなかった。最近、クレジットカードの利用確認をすると、 動画配信サービスの月額料金として毎月約2000 円の引き落としが半年間続いていた。

   事業者に連絡して退会したが、契約期間中の料金は請求するとのことだった。利用していないのに代金を支払わされるのは不満だ。(2021年8月、70歳代女性)

【事例3】通販サイトの有料会員に登録したメールアドレスがわからず、解約できない

   クレジットカードに連絡した際、通販サイトの年会費約5000円を支払っていたことがわかった。今までカード明細を見ておらず、有料会員になっていたことも忘れていた。いつ登録したのか、家族の中の誰のアカウントかも不明だ。

   解約しようと通販サイトの運営会社に電話をすると、「登録しているメールアドレスを送ると解約手続きができる」と言われた。しかし、登録したことも忘れているくらいなので、メールアドレスなどわからない。このままでは解約できないので困ると通販サイトに訴えたが、それ以外の方法がないとのことだった。どうすれば解約できるのか。(2021年5月、70歳代男性)

【事例4】1週間の無料体験のためにダイエットトレーニングアプリをダウンロードした後、退会したと思っていたら継続課金になっていた

   ダイエットトレーニングアプリの1週間無料体験の広告を見て、スマートフォンにアプリをダウンロードした。数日使い、必要ないと思った。退会手続きの方法が示されていなかったので、アプリを削除すれば退会になると思った。最近、クレジットカードにアプリの利用料と思われる2万円の請求が上がっていることに気づいた。

   あまり利用しないカードだったので確認していなかったが、その前にも2万円引き落とされていた。事業者に問い合わせると、月5000円で4か月分とのことだった。私は継続利用の申し込みをしたつもりはない。返金してほしい。(2021年5月、30歳代女性)

サブスク申し込む時は契約条件をよく確認!

無料のダイエットトレーニングのつもりが......(写真はイメージ)
無料のダイエットトレーニングのつもりが......(写真はイメージ)

   国民生活センターでは、次のような対応を呼びかけている。

(1)「無料体験」をきっかけにサブスクを申し込む時は契約条件をよく確認する。
(2)解約したい時は事業者の公式ホームページなどで手続きの方法をよく確認する。
(3)申し込む前に契約の相手方の事業者名やサービス内容、解約方法をよく確認する。そして登録した際のIDやパスワード情報を忘れずに記録しておく。
(4)利用していないサービスの請求がないか、クレジットカードなどの明細を小まめに確認する。スマートフォンなどのアプリについては、OS のアカウントの「設定」から、サブスクの契約の有無が確認できる。

   このほか、「お花のサブスクを申し込んだが鮮度が悪い」「レストランのサブスクを契約したが、メニューが減った」など、期待したサービスではなかったという相談も多いそうだ。

(福田和郎)

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