「子どもやシニアの見守り機能が充実」
今後は小容量向けプランの競争が激化することになりそうだが、インターネット上では、ドコモ自身の携帯料金値下げではなかっただけに、「ガッカリした」という声が多い。ヤフコメでは専門家たちから「ドコモにはシニアユーザー獲得の狙いがあるのでは」という指摘が相次いだ。
ITライターで、WEBマガジン「ウレルブン」代表の酒井麻里子氏は、ドコモの狙いをこう分析した。
「他社の1000円以下のプランでは、LINEMOのミニプランが3GB990円。povo2.0も、3GB・有効期限30日のトッピングを選んだ場合は同じく990円となっています。MVNO(格安スマホ)では、IIJmioが2GB858円、HISモバイルが1GB590円、NUROモバイルは3GB792円というプランを出しています。
1GBあたりの料金を他社と単純比較してしまうと、『0.5GBで月額550円』はすごく安いというわけではありませんが、ドコモショップ店頭申し込みができる点は強みになりそうです。従来のドコモのプランに不満はあったものの、自力でオンライン専用プランやMVNOへ乗り換えるのはハードルの高さを感じていたシニアユーザーなどの受け皿になるのではないでしょうか」
モバイル/IT/ガジェット系フリーライターの島徹氏も、こう指摘した。
「注目はフリービットの『トーンモバイルfor docomo(仮称)』の取り扱いでしょう。トーンモバイルは子どもなどファミリー層向けに見守り機能を充実させた独自端末を含むサービスです。通信事業者のスマホ販売はよりサポートや独自サービスが求められるなか、子どもを含むファミリー層に強いサービスの提供は、ドコモショップとdアカウントを用いたファミリーの囲い込みや将来の新規顧客確保を期待できます。
トーンモバイルはブランド認知の面でプラスになるでしょうし、ドコモ冬モデルで拡充したシニア向けスマホの販売にも繋げられます。現在の月1000円前後のスマホ市場は、大手通信事業者4社のうち3社がサブブランドを含め1000円以下のサービスを提供しており、価格勝負のMVNOは顧客拡大が難しくなりつつあります。そんななか、独自サービスに価値のあるフリービットのトーンモバイルの動きは気になるところです」
モバイル・ITライターの石井徹氏もフリービットのトーンモバイルに注目した。
「ドコモショップでMVNOのプランも選べるようになり、ドコモスマホを合わせて購入することも可能です。契約時にはdアカウントを使うため、dポイント関連の各種サービスも提供されます。ドコモ側にはdポイント経済圏に留まってもらえるという狙いがあり、MVNO側には販路拡大というメリットがあります。
今回取り扱われる2社のうち、同じNTTグループの『OCNモバイルONE』は月額550円で月500MBというプランを新設しました。もう一方のフリービットは子どもや、シニアユーザーの見守り用途に特化した『TONE』(トーン)ブランドを投入します」