守りに入ってしまった(慶応義塾大学 2Gさん)
FX大学対抗戦19週目。今週(9月27日週)は結果的に取引しなかった。流れは何となくつかめていたのだが、守りに入ってしまい、なかなかトレードできなかった。個人的に読みやすい状況であったために、参入しなかったことは猛省する必要がある。
今週もふだんと同様に相場の流れと今後の動きを整理したい。
◆ 今週の流れ27日からの週は、ドル高が進行した。米金融当局が次回11月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でのテーパリング(量的緩和の縮小)開始、2023年から22年に利上げ開始時期を前倒しとの見方を示しており、日本銀行、ECB(欧州中央銀行),イングランド銀行(英中央銀行)などと比較して出口に向かう動きが際立っていることが背景。米長期金利が急上昇している。
インフレの進展は一時的との見方については、市場はより長期化するのではないかと懐疑的な見方もでてきていた。ドル円は一時112円台乗せ、ユーロドルは1.15ドル台へと下落するなどドル買いが強まった。ドル指数は昨年9月以来のドル高水準となった。
その一方で、インフレ警戒、長期金利上昇や米債務上限問題などを受けて株式市場には調整圧力がみられた。円相場は円高方向に押される展開となっている。クロス円が全般に下落し、ドル円も週末にかけては売り戻された。
◆ 今後の動き10月8日に、9月の米雇用統計が発表される。前回8月分は非農業部門雇用者数(NFP)が事前予想の前月比73.3万人増に対して、23.5万人増に留まる衝撃的な弱さとなった。
7月分の数字が速報時点での94.3万人増から105.3万人増に上方修正されていたことを差し引いても、かなり弱いという印象を受ける。失業率は事前予想どおり5.4%から5.2%へ低下したものの、全体としてかなり厳しい数字で、米雇用市場の鈍化懸念が広がる形となった。
コロナ禍は、デルタ株による感染者の拡大が7月後半ぐらいから加速した米国では、1日当たりの新規感染者数(7日間平均)が6月時の1.1万人程度から、前回8月の雇用統計基準日前後で13万人前後まで大きく上昇。9月後半になって、さすがに下がってきたが、9月の基準日前後では14万人台と、かなり厳しい状況が続いていた。
ただ、ニュースなどを見る限りレストランなどの再開が続いている様子が確認され、前回全体を押し下げた飲食部門などの雇用増が期待されている。今回9月分の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比52.5万人増と前回から増加幅の持ち直しが大きく見込まれ、失業率は5.0%への低下が期待されている。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
8月の米雇用統計での非農業部門雇用者数は衝撃的でした。通常の経済成長期では20万人前後の数字となりますので、コロナ禍開けの急拡大期で同じ数字が出たことは市場の肝を冷やすこととなりました。今回、同様の数字となり前回値の上方修正も行われないようであれば、ドルは大きく売られる可能性があります。先行指標のISMの数字を見ると、非常に良好なため、現時点では事前予想に近しい数値が出そうです。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
10月1日現在 118万3600円