米ドルに足を引っ張られる(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週の相場(9月27日~10月1日)
今週は、9月30日に英国と米国の第2四半期GDP(国内総生産)、10月1日には米国ISM製造業景気指数が発表された。
・英国の第2四半期GDP(確報値)
REUTERSによれば、確報値では速報値のプラス4.8%から上方修正され、前期比でプラス5.5%となった。英国の主な新型コロナウイルス対策であったロックダウンの影響から経済が回復したものの、労働者不足からモノの流れが一部滞っている様子が見られる。
第2四半期GDPが健全な回復を見せているため、市場ではイングランド銀行(英中央銀行)が利上げを早めるのではないかという見方も出てきている。ポンド円は9月30日15時からの1時間足で、最高値150.644円、最低値150.241円の陽線をつけ、その前の足の下げを取り戻す形となった。その後は一時149.500円まで下落したが、週末にかけて150.500円まで戻している。
・米国第2四半期GDP(確報値)
REUTERSによれば、米商務省が発表した値は前期比プラス6.7%となっており、前四半期のプラス6.3%から成長が加速したものの、第3四半期入り後に経済成長が鈍化した可能性がある。ドル円は9月30日21時からの1時間足で、最高値112.012円、最低値111.859円の陰線を付け、その後週末にかけて111.000円まで下げている。
・米国ISM製造業景気指数
Bloombergによれば、前月の59.9に対し61.1と上昇した。製造業者が高い受注件数に対応していることがわかるが、一方で労働者不足などによる輸送面、原材料面の影響がいまだにあり、入荷に時間がかかっている。9月は石油・石炭・機械で特に活動が拡大されたが、やはり材料不足・コモディティ価格の上昇、輸送面で困難が多いのが事実。世界的に見ても輸送面での影響が大きいため、企業活動に注目していく。ドル円は23時からの1時間足で最高値111.139円、最低値110.910円の実態が小さい陽線を付けた。
◆ 今週のトレード
・ポンド円:150.500で5lotショート(売り)エントリー。1ポンド=150.000円で買い戻し。プラス2万5000円。
・ドル円:1米ドル=111.500円で反発を狙い、5lotロング(買い)エントリーするも損切り。マイナス5000円。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
経済成長の鈍化は、コロナ禍開けの再開が一巡していることもあり、当然といった認識でしょう。それにしても、6.7%は先進国では目にすることができない高成長です。さて、気になるところはあらゆるものの価格の高騰です。小麦は2割も上がり、砂糖はそれ以上に上がっています。また、シリコン価格が2か月で4倍以上に高騰しており、ハイテク企業を直撃しているそうです。
日本企業では、トヨタや神戸製鋼など大手企業が悲鳴を上げており、既に株価にも悪影響を与えています。この状況が続くと、クロス円が弱含み、米ニューヨーク市場のドル円、豪ドル円あたりが売られやすくなるのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス2万円
10月1日現在 152万3278円