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これから大発生する米のハリケーンも要注意

   もう一つの混乱要因が、これから大発生する米国のハリケーンだ。

   JOGMECの野神隆之氏が続ける。

「また、11月30日まで大西洋圏ではハリケーンなどの暴風雨が1年中で最も発生しやすい時期である。冬場の暖房シーズンに伴う暖房用石油製品需要期を控え、今後も暴風雨などが米国メキシコ湾地域に来襲することにより、沖合の油・ガス田関連施設での操業と原油生産への影響に対する懸念が市場で発生すれば、原油価格が上昇するといった展開となることもありうる。
原油、天然ガス、石炭および電力などのエネルギー価格が上昇することを含め、物価上昇率がこの先拡大するようであれば、米国金融当局は金融緩和縮小を加速せざるを得なくなるとの観測が市場で発生する。また、中国恒大集団の経営不安と中国不動産開発業界を巡る動向も、今後の中国と米国株式相場とともに世界経済および石油需要に対する市場の認識に影響を与える。その結果、OPECプラス産油国の減産措置をめぐる方針を再調整させる可能性もある」

   中国の不動産大手、恒大集団のデフォルト問題も加わり、世界経済はお先真っ暗の状態が迫っているというわけだ。

   みずほ証券商品企画部シニアテクニカルアナリストの中島三養子氏も「マーケットフォーカス 原油は7年ぶり高値、追加増産見送りと厳冬予想」(10月6日付)の中で、インフレ懸念が高まっていると警戒する。

「OPEC とOPECプラスは10月4日の閣僚級会合で、11 月も減産幅を日量40万バレル縮小する方針を確認した。米ホワイトハウスがインフレ懸念から、OPECプラスに対して追加の増産を要請していたため、市場では追加増産を検討するとの見方も高まっていた。これに反し、増産を見送ったことから需給ひっ迫観測が強まった。
OPECプラスの減産縮小の終了は2022年末の見通し。このペースが維持される場合、原油価格にはさらなる上振れ余地も。世界的な経済活動の再開による需要増や、米国企業の脱炭素化に絡む投資抑制、さらにハリケーン被害による供給減も加わっている。
また、天然ガス需給のひっ迫も原油相場の上昇圧力となっている。米ニューヨーク市場の天然ガス先物価格は歴史的な高値に。天然ガスは北半球の厳冬予想が重なり、暖房需要の増加が見込まれている。以上の点から、当面の原油市場は堅調に推移する見通し。一方、OPECプラスが追加増産に踏み切れば上値が重くなりそうだ。21年10~12月期の原油価格は、1バレル=60~90ドルを想定する。足元のインフレ懸念がエネルギー高によって強まるおそれがあろう」

(福田和郎)

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