株価反転のカギはスポーツサイクルの商材確保
コロナ禍で「密回避」の移動手段として、また運動不足を解消するツールとして自転車の需要が高まり、2021年2月期単独決算は売上高が前期比16.0%増、最終利益が84.4%増の増収増益だった。21年3~5月期(第1四半期)も前年同期がコロナ禍で自主休業や営業時間短縮して低迷した反動もあって、売上高は前年同期比21.5%増、最終利益が39.0%増と好調を維持した。
月初に発表している既存店売上高が6月、7月、8月と各月20%前後も前年割れしていたため、第2四半期に入って変調が起きていることは市場に伝わっていた。株価は下落基調にあったが、中間決算で2ケタ減益が発表されたことは投資家のさらなる失望を招いたと言えそうだ。
もっとも、高齢化の進展もあって一般自転車から単価の高い電動アシスト自転車への移行は今後も進むとみられているし、幅広い年代でスポーツサイクルの人気は高まっている。
まずはスポーツサイクルの商材確保が、業績改善、株価反転のカギとなりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)