しわ寄せは女性に...... コロナ禍で雇用も給与も減少 「令和版所得倍増」の前途多難(鷲尾香一)

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年功序列型の給与体系は崩壊していない!

   一方、非正規の給与所得者数は同1.0%減の1203万人で、男性は同0.4%増の372 万人、女性は同1.6%減の831万人となった。平均給与は同0.9%・1万6000円増の176万円で、男性は同0.9%増の228万円、女性は同0.7%増の153万円だった=表3参照。

   つまり、雇用面では、正規・非正規ともに女性の雇用者が大きく減少しており、給与は正規が減少したものの、非正規は増加している。ただ、非正規の給与増加は雇用調整(人員減)を行ったことで、給与の引き上げが行われたものと推測できる。

   総じて、コロナ禍の雇用・所得への影響は、女性に重くのしかかったといえる。

   年齢階層別に平均給与を見ると、最も高いのは男性は55~59歳の定年間際の層で66万8000円、女性は50~54歳で31万9000円となっている。年功序列型の給与体系は崩壊したと言われるが、平均給与で見ると、いまだに年功序列の金額となっている=表4参照。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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