新型コロナウイルスの感染拡大に揺れた2020年。国税庁が9月29日に発表した「令和2年(2020年)分の民間給与実態統計調査」で、その雇用と所得の状況が浮き彫りになった。
コロナ禍で平均給与は減少。なかでも雇用と所得への影響は、女性に重く圧しかかったといえそうだ。
雇用悪化、女性は2019年から55万人減
2020年の1年を通じて勤務した給与所得者数は、前年比0.2%・10万人減少し、5245 万人となった。男性は同1.5%・44万人増の 3077万人だったが、女性は同2.5%・55万人減の2168 万人と、雇用の悪化は女性に大きく表れた=表1参照。
平均給与(年収)は、前年比0.8%・3万3000円減少し、433万円となった。男性は同1.4%・7万5000円減少し、532万円。女性は1.0%・2万9000円減少して293万円と、男女ともに減少した。
内訳をみると、平均給料・手当は0.7%増の369万円(男性は同0.1%増の449万円、女性は同0.4%増254万円)とともに増加したものの、平均賞与は同8.1%減の65万円(男性は同8.6%減の83万円、女性は同8.9%減の39万円)と大幅に減少しており、賞与の減少が平均給与の減少に影響している=表2参照。
なお、給与所得者の平均年齢は46.8歳(男性46.8歳、女性46.7歳)で、平均勤続年数は12.4年(男性13.9年、女性10.1年)となっている。
雇用業態別に見ると、正規の給与所得者数は前年比0.1%減少の3483万人で、男性は同1.3%増の2344万人、女性は同2.9%減の1138万人となった。平均給与は同1.5%減・7万7000円減の496万円で、男性は同2.0%減の550万円、女性は同1.3%減の384万円だった。