きょうは、50代のAさんがいらっしゃっています。
「在宅勤務になって、約1年半経ちます。今後、コロナ禍が収束した際にも以前のような出社体制には戻らないと、会社から通達がありました。はっきりとしたことはまだ決まっていないようですが、在宅勤務はまだ続きそうです。
同年代で他の会社に勤めている知り合いの中には、コロナ前と変わらず通常出社を続けている人、在宅勤務はイヤだと言っている人などいろんなタイプの人がいますが、私は結構この在宅勤務が好きですね。この先もまだ続きそうなので、改めてアフターコロナに備えて考えてみようと思っているところです」
在宅勤務で生き生きしている人
「コロナ禍、いつ落ち着くのかな?」と不安がまったくない人は少ないと思いますが、生き生きと過ごしている人はいますよね。1回目の緊急事態宣言が出てから約1年半経ちましたが、「生き生きとしている方」「ぐったりとした方」と分かれている気がします。
「そうですね。部下とも話をしてみたところ、在宅勤務で生き生きしている人は、新しい働き方を始めた人、新しい趣味や新しい習い事を始めた人や新しい習慣を身につけた人なのかなと思います。新しい生き方を見つけたってことですね。逆に出社したいと言っている人は家にいても、やることがない、時間がうまく使えないと言っていますね」(Aさん)
Aさんはこの1年半で何か始めましたか?
「ベタですが、盆栽を始めました。毎日眺めてみていると、盆栽が愛おしくなってきますね。あとは健康に気をつけるようになり、ウォーキングを続けています。」(Aさん)
在宅勤務は、会社の人と直接顔を会わせる機会が減るため、コミュニケーション不足からストレスを感じるタイプの人もいました。
「孤独がつらい」
「仕事がなくてつらい」
このように感じたタイプの人は、在宅勤務はつらいから、早くコロナ禍前の世界に戻って欲しいと願っていたようですね。在宅勤務の孤独から抜け出せなかった人の中には、体調を崩してしまった人もいるようです。
自分のやった仕事に対してのフィードバックが受けられなかったり、自分の存在価値を見出せなかったりした人が、孤独を感じる傾向が強いと思います。
逆に生き生きとしている人は、同じ環境の中でも自分の価値を見出せた人なのです。自分の関わった仕事によってどう変化が起こったか、自分がどう変化、成長したのか、自分自身で振り返って感じることができた人だと思います。
小さな変化でも自分の自信に繋げることはすごく大事なことなんですね。
変化を受け入れることには年齢は関係ない
Aさんは、今の在宅勤務の働き方が好きとおっしゃっているのですが、孤独にはどうやって向き合ったのでしょうか。
「私の場合は部下とのコミュニケーションを積極的にとるようにしました。新しい働き方の中で、部下に孤独を感じさせないようにというミッションがあったので。あとは在宅勤務の中でも、それぞれの仕事に対しての価値を感じてもらうために、プロセスをなるべく評価するように心がけました」(Aさん)
物事の変化には周りからの支援も有効ですよね。Aさんの場合は部下に対しての働きかけから、ご自身への向き合い方につながっていったんですね。
先日、生命保険の見直しをしました。以前は対面での手続きが必須でしたが、コロナ禍によって保険会社の手続きもオンライン化していたんですね。担当が70代の方だったのですが、オンラインツールの使い方を覚えている最中でした。手続きに時間がかかりましたが、頑張っている姿を応援したくなりました。
一方、オンラインツールを使えないから「辞めたい」と言っている同年代の方もいるようです。どんな年齢だとしても変化に対応するためには、まずは受け入れることなのかもしれません。
もしかしたら今後、Aさんも誰かと比べてしまい「自分には何もないんじゃないか」「周りに比べて取り残されているんじゃないか」と不安に襲われることもあるかもしれません。そんな時のために、今やっている趣味からでも自分の変化を実感しながら過ごすことが大事だと思います。自分の能力を高め磨くことはこれからの時代、ずっと必要なことなのかもしれませんね。
新しい生き方を見つけた人と孤独を感じた人の差は、「物事」に対する考え方次第なのです。Aさんは趣味を見つけて続けているので、ぜひ、引き続き趣味からの広がり方も楽しんでみてください。(ひろ子ママ)