中国の不動産大手、恒大集団の債務問題で大揺れとなった今週(2021年9月20日週)の外国為替市場だが、多忙のため取引できずにいた早稲田大学のNAKAMURAさんを除き、4大学がそろって利益を得た。
慶応義塾大学の2Gは、「比較的狙った動きをしてくれた」と、達成感に浸る。明治大学の佐藤諒さんは2週間ほど持ち越しているドル円を決済。1万4000円の含み損を解消して、さらにプラスを確保した。一橋大学のボンゴレさんはニュージーランドドルが下げたところを指値買いで奏功。メキシコペソにも再挑戦。同志社大学のFOXさんはスキャルピングに集中。自分のスタイルを模索しながらも利益を得た。
しっかりトレードで大勝!(慶応義塾大学 2Gさん)
FX大学対抗戦18週目。先週は予定が重なりお休みをいただいたが、今週(9月20日週)はしっかりとトレードできた。結論から言うと、1米ドル=110.044円時に買い、110.510円時に売ったので6万9600円のプラスであった。
売買時の直近市場の最大のリスク懸念材料となっていた中国の不動産大手、恒大集団の債務問題について、中国当局がドル建て債の目先のデフォルト回避を指示したと報じられたことがリスク警戒感の後退につながり、株価が大きく上昇した。全体的に円売りが優勢となり、クロス円が上昇する形となった。今回のトレードは比較的狙った動きをしてくれたので喜びを噛みしめている。もっとホールドして利益を増やすこともできたという点が今回の課題として挙げられるが、ちょっとした達成感に今は浸りたい。
◆ 今週の流れ
20日からの週は、リスク動向をめぐって神経質な相場展開となった。中国不動産大手の中国恒大の債務・経営問題がクローズアップされた。ポイントとなる23日の人民元建て社債利払いが実施されることとなり、市場はひとまず安堵感を広げた。
週前半に下落が続いた株式市場は一気に上向きに転じている。また、米FOMC(米連邦公開市場委員会)会合を無難に通過できたこともリスク選好の動きにつながった。今回はテーパリング(量的緩和の縮小)開始が見送られたが、次回11月会合での開始が示唆された。利上げ開始見通しについてはこれまでの2023年から22年中へと前倒しされ、米経済回復が印象付けられた。ノルウェー中銀がG10としてはパンデミック初の利上げを発表、次回会合での追加利上げも示唆した。一方、トルコ中銀は予想外の利下げを発表し、リラが対ドルでの最安値を更新した。ドル円は109円手前から110円台後半へと上昇という形で終わった。
◆ 今後の動き
このところ市場の大きな警戒の材料となっている中国の不動産大手、恒大集団の債務問題などに関する進展を意識しながらの展開となりそうだ。すぐのデフォルト懸念が少し後退も、同社は年内の利払い予定が目白押しとなっている。流動性資産の多くを占める販売用不動産などの棚卸資産について、中国当局の不動産投機規制の姿勢もあって、現金化に時間がかかる可能性がある中で、警戒感が当面続くと考えられる。
また、週明けは26日に行われたドイツ連邦議会選挙の結果を受けての連立協議なども市場の材料となりそうだ。メルケル首相は今回の選挙で引退が決まっており、新しいドイツの政治体制の中で、景気支援などの姿勢にどのような変化があるのかが注目だ。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
FOMC(米連邦公開市場委員会)での初動は、テーパリング(量的緩和の縮小)開始時期が示されなかったことで、ドル売りに。しかし、その後は11月にテーパリングを行う可能性を示唆したことで、一転ドル高に。22日から7日連続陽線となりました。
これは1月27日から2月4日以来となります。その後は1円調整した後に3月末までに6円御上昇を記録しました。11月のテーパリングに向けてのイベントドリブン相場がしばらく続きそうです。この上昇が加速するかどうかは、今後の経済指標が左右するのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス6万9600円
9月24日現在 118万3600円