後継者への移行期間、企業の半数が「3年以上かかる」 コロナ禍で経営者の意識は変わったのか?

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建設業はなぜ時間がかかるのか、そのワケは......

   後継者の移行期間を業界別にみると、「建設」で「3年以上」かかる企業が59.9%でトップ。「製造」(54.8%)や「卸売」(52.2%) も半数超となり、全体(51.9%)を上回った。その一方で、「農・林・水産」は32.1%、「金融」は23.6%で、他の業界と比べて低かった。

   建設業では「6~9 年程度」「10 年以上」かかると答えた企業も、業界別で最も高かった。その背景には、建設業ではたとえば経営業務の管理責任者として5年以上の経験を有した者が在籍していなければ建設業許可を引き継げないなどの条件が多く、移行期間が長期化する一因となっている可能性がある。

   さらに調査では、2020年2月以降の新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって社会情勢が大きく変化した中で、自社の事業承継に対する意識に変化があったかを聞いた。

   その結果、「意識が変化した」企業は 8.7%。その内訳をみると、「事業承継の時期の延期」を考えている企業は 4.3%。一方、「事業承継の時期を前倒し」と答えた企業は 3.5%だった。また、「廃業予定から事業承継に変更」は 0.4%、「事業承継予定から廃業予定に変更」は 0.5%だった。

   なお、「特に変化なし」と答えた企業は79.8%で、約8割はコロナ禍の影響を受けなかった。

   事業承継への意識に変化があった企業からは、

「コロナ禍による経営環境の変化に対応するため、事業承継を延期する」(貸事務所、愛知県)
「このような状況で長期的な展望が見通せないので、事業承継についても現実味を感じられない」(建築用木製組立材料製造、岩手県)
「息子への事業承継を計画しているが、コロナ禍での事業承継は社外的にあまり良い印象がしないので、時期を延期した」(電気配線工事、大阪府)
「新型コロナウイルスの影響で借入金も増えたので簡単にはいかない」(食料・飲料卸売、岐阜県)

   といった声があった。

   なお、調査は2021年8月18日~31日に実施。対象は全国2万4458社で、有効回答は1万1170社(回答率45.7%)から得た。

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