再燃する人手不足にどう対応? ウィズコロナ時代の繁盛する飲食店はDXで進化する

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「経営参謀」の担い手が必要だ!

―― 経営者、従業員の意識改革に必要なことは何でしょう。

竹田さん「外食産業は1970年代のケンタッキーフライドチキンやマクドナルドなどの日本上陸に始まって、多くの大手企業が生まれました。エクセレントなオペレーションをするのが20世紀の成功パターンでした。その成功体験を今でも引きずっている経営者は多く、そのような経営者の場合、社内に経営改革を推進してくれるイノベーション型、経営参謀型の人材がいないことが少なくありません。そういった人材の確保が飲食業に求められます」
宇佐川さん「コロナ禍のような混乱の時期は、飲食業に限らず人が動いています。たとえば観光業では、高いスキルやポテンシャルを持っている人材が行き場を失っていることがあります。そのような人材を確保することも一つの方法です。経営の機能を理解して、進化させていくのが大切です。それを進める『人』が必要です。
20世紀型の経営では、一人がオールマイティに対応できていたのですが、21世紀では従来とは異なる競争相手が登場するなど、社会環境の中でいろんな知恵を借りてくるような手法が必要になっています。マーケティングや、次の経営を考えることや違ったタイプの従業員をマネジメントできるといった、会社として必要なことができる経営者の参謀がいれば変革も推進できます。会社に必要な人材を採用したり、育てたりする、まさに今がそのタイミングだと思います」

―― リクルートでは、飲食店の経営サポートをどのように提供しているのですか。

竹田さん「何をすることがお店の魅力アップにつながるのか? それによってお客様が集まるお店になるのか? 従業員にとって働き甲斐のある職場づくりができるのか? といった課題を、全国の営業担当者がお客様と話しています。それによって知見を高めていき、お客様にフィードバックしていくところが特徴です。それが飲食業界に『伴走していく』ということだと思っています。実際の課題には、お店の営業担当者や、場合によってはチームで対応しています。リクルートでは、人材領域と飲食業界の両面からアプローチできるので、これまでのさまざまな課題に対応してきたナレッジをお伝えすることができます」

   昨今、DX化によるデジタルツールの導入機運が高まってきたが、それは飲食店も例外ではない。ただ、導入によって生じる現場のオペレーション変更は、導入初期に現場の負担感や顧客の反応への不安を伴うことも事実で、人手不足への対応やコスト削減といった「経営都合」の目的だけでは、従業員への説明力が不足し、改革へのモチベーションが高まらない懸念がある。

   作業や経費から何かを「引く」という発想ではなく、お客や従業員にとっての価値を「足す」「増す」ためにデジタルツールを活用する考え方が、DXへの従業員の納得感、導入や運用のスピード感、さらに売り上げ、利益の向上という成果につなげるために重要といえそうだ。

(聞き手:牛田肇)

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