副業がうまく行くかは「3か月」で決まる
古賀さんによると、副業は「スタート直後の3か月」が勝負。企業が副業人材の活用に慣れていない場合には、まず何をゴールにするかを言語化するところからサポートする。企業側と副業人材双方のモチベーションが高いうちに、それをいかにキープするか。コミュニケーションはメールか、チャットか。平日の日中でも「即レス」できるのか。
働き方の解像度を、互いに高めるかが大切だという。こうしたノウハウは、2014年にサービス開始し、18年から「ふるさと副業」を始めたサンカクならではだ。
働き方改革と、コロナ禍によるリモートワークの普及で、副業に対するハードルは低くなった。副業人材には、小口化された仕事が割り当てられることが多いが、ふるさと副業では「長い関係性」づくりを目指している。現状認識をしたうえで、企業にあったアプローチを提案する。そうした二人三脚のパートナーを生み出す、キューピッドとしての役割といえるだろう。その先に、企業と個人の新たな出会いが生まれ、地方や伝統工芸の盛り上がりにつながることを、古賀さんは実現したいと考えている。
イベント終了後、中川政七商店に手応えを聞くと、円滑なイベント運営のため、事前に参加者へ「実際にオンライン購買を体験する」課題を設けたことに加え、Zoomの機能活用や、事前の議論フォーマット準備などを行った結果、「熱量高く」実施できたのでは、と振り返る。
社内外からの反応はどうか――。同社の広報担当者は「『日本の工芸を元気にする!』というビジョンの実現に向けて、新しい産地支援の兆しが見えたという手応えを得ています」と話す。
また、パートナー企業についても、「ディスカッション自体が有意義で学びが多かったと同時に、実際に副業の採用に繋がりそうなケースが2~3社ほど生まれています」とのことだった。