日本郵船株が年初来高値を連日更新 海運市況の好調を歓迎、どこまで続くのか!

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年末商戦控え、コンテナ船も運賃上昇

   一方、日用品や家電、衣類などをコンテナにつめて運ぶコンテナ船も年末商戦を控えて輸送需要が高まる時期を迎えており、運賃下落は見込みにくい。ちなみにコンテナ船は日本郵船、商船三井、川崎汽船の国内大手3社が世界の大手に対抗するため事業統合し2018年に共同出資会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」が運航を始めた。

   220隻以上の船隊を擁し、コンテナ船として世界6位の規模。この経営効率化が効果を出し始める局面で、運賃上昇という追い風を受けることになった。

   世界の海運市況は、コロナ禍から需要が回復するところで21年3月末のエジプト・スエズ運河の座礁事故や、新型コロナウイルスに作業員が感染した中国の輸出港での稼働停止といった運航の「目詰まり」が相次ぎ、それがコンテナ船やばら積み船の運賃上昇に拍車をかけ、その勢いが衰えないまま年末商戦期を迎えた。

   ただ、石油製品のタンカーの運賃は上昇とはほど遠い状況で、自動車輸送も半導体不足による生産台数減少の影響を受けそうだ。日本郵船が2022年3月期に最高益を更新したとしても、その後もさらなる成長軌道を描けるのか。世界の投資家はこの辺りを見極める段階に入っているとも言えそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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