緊急事態宣言の全面解除でも続く理不尽な飲食店いじめ お酒悪者説に「じゃあ、なぜ急激に感染が減少した?」

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店も客も大迷惑な「ワクチン・検査パッケージ」

   もう一つ、飲食店を混乱に陥れているのが「ワクチン・検査パッケージ」だ。政府は、飲食店の客にワクチン接種済み証か検査の陰性証明の提示を求める仕組みを活用する方針だ。10月1日以降、1か月の段階的な緩和を行ったうえで、飲食店で全面的に酒類提供の解禁を行う際に、安全対策の決め手にしようというわけだ。

   早くも居酒屋チェーン店などの間では、ワクチン接種の特典を先取りする動きが出ている。朝日新聞(9月29日付)「居酒屋や旅行、接種で特典 飲み物1杯無料、限定ツアープラン」が、こう伝える。

「ワタミは居酒屋『ミライザカ』『三代目鳥メロ』『焼肉の和民』など約330店で、ワクチンを2回接種した人に、飲み物1杯を無料にするキャンペーンを6月から始めている。自治体でもらえる接種済み証などを提示した来店客に、飲み物の引き換えカードを渡し、以降の利用時はこのカードを見せてもらう。
行政の要請で酒を出していない店では、ソフトドリンクを無料にしてきた。要請の対象地域では休業してきた居酒屋も多く、『ワクチンを接種した人は増えており、居酒屋も再開できれば利用者は増えるのではないか』(ワタミ広報)と期待する。
居酒屋チェーン運営のテンアライドは、東京などに展開する『和食れすとらん天狗』など約30の和食店で、2回接種者を対象に10月末までドリンクバーなどを無料にしている。接種済み証の撮影画像でも受け付けるが、その際は本人確認で身分証の提示を求める」

   しかし、「ワクチン・検査パッケージ」は問題だらけなのだ。毎日新聞(9月29日付)「出口見通せず、宣言解除どう日常へ 検査パッケージ実現に壁」が、こう指摘する。

「課題も多い。事業者が店で客のワクチン接種証明などを一人ずつ確認するには手間がかかる。米国などと違い、事業者に確認義務が課されないため、事業者にとって負担が重ければ、浸透しない可能性が残る。客がワクチン接種という個人情報の開示を拒めば、トラブルになりかねない。
利用者側にも負担が生じる。政府は接種証明を表示できるスマートフォン用のアプリを開発するが、それまでは紙の接種済み証を持参する必要がある。持病で接種をできない人は検査を利用することになるが、有効期間は精度の高いPCR検査で72時間、簡易な抗原定性検査では24時間と短い。
パッケージを利用するたびに数千円の検査費用がかかれば、経済的な負担が大きく、社会参加の機会に差が生まれかねない。9月28日の説明会では、自治体担当者から『飲食店では客が来なくなり、参加するメリットがなくなりかねない』との懸念が出たという」

   飲食店側にも、お客側にも、双方に負担が大きいというわけだ。

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