「暇すぎる職場」に問題はないのか?
――ズバリ、川上さんなら投稿者の今後の仕事の取り組み方や心構えについて、どうアドバイスをしますか。
川上さん「まず、投稿者さんご自身に、仕事を依頼している職場や上司の立場に立って自らの行いを振り返ってみていただきたいと思います。本来お願いしたかった仕事ではない他の仕事(掃除)に精を出している姿を見た時に、上司はどんな気持ちだったのか。その上で、役員に褒められたことが気に食わなかったのか、ハラスメントだったのか、といったご自身の中に生じた疑念について、今一度考えてみていただきたいと思います。
正社員として登用されることを目標にするのであれば、投稿者さん自身が今の職場の一員として『就社』する心構えが求められます。自分は今何をすることを求められているのか、周囲とどう連携を図るべきか、職場の中でいかに振る舞うべきか、といったことを適切に判断し柔軟に対処するうえで、まずは自分の目線から見える世界だけに固執せず、周囲の様々な人の立場に立ってみることを癖づけていただきたいと思います。
どれだけ思いを込めて一生懸命仕事に取り組んだとしても、その努力の仕方や方向が、周囲が期待するものとズレてしまっていては、投稿者さんのせっかくの努力は報われず、残念ながら社内からは必要な人材と見なされなくなってしまいます」
――職場側には課題はありませんか。
川上さん「勤務時間中に、投稿者さんが暇だと感じる時間が生じていることや、本業と掃除の業務バランスが不明確なこと、投稿者さんと上司の間に信頼関係が成立していないと思われることなどが、改善のポイントになると思います。
これらはすべて別々の問題です。投稿者さんご自身が思い違いをしてしまっていることもあるかもしれませんし、上司や職場の対応が不十分なこともあるのかもしれません。一気に解決策を考えようとしても無理が出てしまいます。一つひとつ整理して、個別に検証し、同僚からアドバイスをもらったり、勇気を持って直接上司に尋ねたり、派遣元の担当者に相談したりしながら解決していく必要があります。
簡単な道のりではありませんが、一つずつ解決していくことで気持ちも少しずつ楽になっていくはずです。問題を解決していくにつれて、正社員登用の可能性も少しずつ近づいてくるでしょう。今は悩ましい状況かもしれませんが、正社員になりたいと思える職場に出会えたことは素晴らしいことです。ぜひ粘り強く問題に向き合い、道を切り拓いていただきたいと思います」
(福田和郎)