日本の大きな方向性を決める自民党総裁選 膠着状態の為替市場を揺り動かすのは誰だ!(志摩力男)

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「改革派」の河野氏なら外国人投資家のウケは良い

   現在、為替市場は膠着し、長い間「円高」にも「円安」にもなっていません。さまざまな要因が絡み合って、このような膠着になっています。可能性は少し低いですが、もし高市新総裁の誕生となれば、膠着を破る起爆剤になるかもしれません。

   国民人気の最も高い河野氏の場合は、「改革派」のイメージがあり、外国人投資家にはウケは良いでしょう。株価にもポジティブです。しかし、アベノミクス的リフレ政策から遠いところにいる河野氏ですと、為替市場は、当初は株高に釣られて円安になる可能性もありますが、市場が冷静になるにつれ「円高」リスクが顕在化する可能性があります。そこは注意でしょう。日本銀行との関係性が重要になってきます。

   多くが本命と考える岸田氏の場合、良かれ悪しかれ従来の政策の延長なので、あまり変化ないと思われます。株価には、少し好影響かもしれませんが、長続きはしないでしょう。

   ただ、誰が総裁となったとしても、限界はあります。高市氏でも、安倍首相が就任した当時のような派手な相場になるとは限りません。すでにかなり円安水準にあるからです。株価も3万円を超えて、高いところにあります。

   2022年以降は、中国の恒大集団問題に象徴されるように、中国の不動産バブルが少しずつ弾け、中国の経済成長が低下してくるはずです。隣国である日本も影響を受けます。米国も金融引き締め局面に入ります。世界景気は陰り始めます。警戒が必要になってくると思います。(志摩力男)

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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