資金洗浄、日本は「落第」寸前! 継続的な本人確認で「不十分」の烙印 銀行負担さらに増す

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簡単な口座開設、顧客利便優先で拡大したツケ?

   FATFの審査報告で問題にされたのが「継続的な管理」だ。預金開設時の本人確認という点では対応が進みつつあるが、その後の取引内容に不審な点はないか、引き続き本人が取引者かといった点の確認について、不十分とされた。

   また、NPO法人がテロ組織の資金確保に悪用されるリスクへの評価や監督も不十分と指摘された。

   金融庁などは最低ランク判定を避けるため、2018年に金融機関に対し口座の名義人の確認を求めるガイドラインを策定するなど対策に力を入れてきた。ただ、現場での対応は簡単ではない。

   名義人に確認書を郵送するなどして、所在地や職業などを問い合わせる作業に金融機関は取り組んでいるが、実際の確認作業は難航。利用されていない口座も多数あるとみられ、金融機関が書類を郵送してもすでに転居しているケースは多い。連絡がついても、「犯罪者と疑うのか」など反発されるケースもあり、手間やコストは、地方銀行や信用金庫など経営基盤の弱い中小の地域金融機関には負担となっている。

   スマートフォン(スマホ)決済などの資金移動業者や暗号資産(仮想通貨)交換業者となると、さらに難題だ。窓口などで本人確認をしなくても取引できるだけに、不正送金などが増加している。「パスワード+電話番号」など複数の要素で本人確認する「多要素認証」の導入などが進むが、事業者の負担はもちろん、利用者にも手間がかかることから、利便性を武器に顧客を獲得してきた新興企業などには影響を懸念する声がある。

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