生活保護受給世帯数の半数超が高齢者世帯
平均寿命は1963年には男性67.21歳、女性72.34歳だったが、1984年には女性の平均寿命が80歳を超え、80.18歳となった。さらに、2002年に女性の平均寿命は85歳を超え、85.23歳に延び、2020年には87.74歳となっている。
これに対して、男性の平均寿命が70歳を超えたのは1971年、80歳を超えたのは女性に遅れること29年後の2013年で、2020年の男性の平均寿命は81.64歳と、女性とは6.1歳の差がある=表2参照。
さて、100歳以上の高齢者が多い都道府県をみると、1位が東京都、2位に神奈川県、3位が大阪府というように、人口の多い大都市を抱える都道府県が上位を占める。一方、これに反比例するように、少ない県は1位が鳥取県、2位に徳島県、3位が福井県と人口減少県や高齢化の進捗が進んでいる県が上位を占めている。
ただ、人口10万人当たりの100歳以上高齢者数(いわゆる長寿県)を見ると、1位が島根県、2位が高知県、3位に鹿児島県と様相は変わってくる。
これらの県も高齢化や過疎化が進んでいる県であり、一概に長寿県と喜んではいられない状況が浮かび上がる。
直近の生活保護の被保護者調査では、21年6月の生活保護受給世帯数は163万1669世帯。このうち半数以上の55.8%にあたる90万9879世帯は高齢者世帯だ。
「長寿=幸せ」という単純な構図ではないのが、日本の高齢化社会の実態なのだ。(鷲尾香一)