【書店探訪】世界一の本の街でただ一つの子どもの本専門店 「ブックハウスカフェ」

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店で結婚式が開かれた

   1階と2階の洋書店をつなぐ階段は、映画に出てきそうなゴージャスな雰囲気がある。聞けば、結婚式に使われたという。

今本さん「閉店後のお店を貸し切って、プロポーズされたお客様もいらっしゃいました。また、結婚式も3回、行ったことがあります。」
大人も楽しめるイベントも開催
大人も楽しめるイベントも開催

   絵本は子どもの本という思い込みがあるが、じつは絵本を読むサークルがあるなど、大人の読みものとしても広がりを見せている。

   結婚式も絵本作家、ヨシタケシンスケさんの「あるかしら書店」(ポプラ社)を読んだ女性が、本の中にある「書店婚」を実現したい、とブックハウスカフェに相談したのがきっかけだった。

   子どもの本の店なのに、大人が集まる。そんなコンセプトの店づくりは、カフェやギャラリーだけではない。絵本講座も開かれ、オンラインも併用している。高齢の参加者も少なくないそうだ。

   さらに、もう一つのスペースが店の一番奥にあるバーコーナーだ。元は倉庫という小さいスペースだが、夜は絵本をつまみにお酒と、人気になった。

今本さん「バーが順調だったときには、ようやく経営が安定したのですが、長引くコロナ禍で、苦戦が続いています。でも、活気のある絵本屋をできるだけ続けたい。劇場みたいな本屋にしたいのです」

   実家が持つビルという今本さんの恵まれた環境はあるにせよ、広い路面店を維持していくのは大変なことだ。インタビューをしている時に、ふと思った。ここがふつうの書店だったら、どうだっただろうかと。こんなに開放的な空間になっていただろうかと。

   楽しく、祝祭的な雰囲気があふれているのは、絵本の持つ力なのでは、と思った。子どもの頃の思い出がよみがえるのだろう。絵本には大人を一瞬にして幸せな気分にする不思議な力があるようだ。古書店が立ち並ぶ神田神保町に吹く一服のさわやかな風。ブックハウスカフェはそんな店だ。(渡辺淳悦)

店舗データ
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1F
電話 03-6261-6177
営業時間 11時から18時まで
年中無休(年末年始を除く)
店内バー「リリパット」は平日20時~24時(緊急事態宣言中はお休み)

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