英ポンドにやられた!(明治大学 佐野快斗さん)
◆ 今週の相場(9月13日~17日)
今週は14日に米国消費者物価指数、16日にニュージーランド第2四半期GDP(国内総生産)と米国の小売売上高が発表された。
JETRO(日本貿易振興機構)によれば、米国消費者物価指数は前年前月比プラス5.3%上昇、前月比でプラス0.3%となった。前月はそれぞれプラス5.4%とプラス0.5%だったため、どちらも下回っている。
項目別ではガソリン価格が前年同月比42.7%上昇しており、また、家庭用食品が前年同月比で3.0%上昇と、ここに来て上昇傾向にある。パウエル議長は2021年内の量的緩和を示唆しているものの、ガソリンや家庭用食品といった家計に直接関係するものの価格が上昇しているため、これからの情報に注目していく。
ドル円は、14日21時からの1時間足で最高値110.146円、最低値109.830円で、この発表を機に15日にかけて109.080円まで下落した。
REUTERSによれば、米国小売売上高は市場予想のマイナス0.8%に反して前月比でプラス0.7%となった。
学校の新年度開始商戦等が影響を及ぼしたとみられ、前年同月比ではプラス15.1%で、コロナ禍が解消しつつあり物からサービスへと変化しつつあるものの、経済成長は堅調との目線が多い。
ドル円は16日21時からの1時間足で最高値109.702円、最低値109.330円の陽線をつけた。その後は週末にかけて110円を超えるまで上昇した。
◆ 今週のトレード
ドル円:1ドル=109.800円で5lot指値ショート(売り)エントリー。109.500円で決済した。プラス1万5000円。
ポンド円:1ポンド=151.000円で5lotショート(売り)エントリーしたものの、151.100円で損切り。マイナス5000円。151.700円で10lotロングエントリーし、151.600円で損切り。マイナス1万円。
来週は22日にFOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利、日本銀行の政策金利、23日にBOE(イングランド銀行)の政策金利の発表があり、これらの通過ペアは慎重にエントリーしていきたい。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
コロナ禍の影響とはいえ、1年間で物価が5%も上昇している米国は物価が安定しているとはいえないでしょう。民主党、バイデン政権の超巨額の財政支出とFRB(米連邦準備制度理事会)の金融緩和が大きく影響していることは間違いなさそうです。
そんな消費者物価ですが、失業給付が順次終了している段階で上昇が鈍りました。合わせて雇用統計の数値もブレーキが掛かったとあって、投資家は警戒したことがわかります。市場のコンセンサスは11月にテーパリング(量的緩和の縮小)開始ですから、それには9月の経済指標が最後の判断材料となります。予想を大きく下回る数値が出ると、ドル売りになりやすいのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
9月17日現在 148万3278円