生き残りをかけた「地銀改革」! その光と影とは? ―地銀業界分析2021―(慶応義塾大学 八田潤一郎さん)【企業分析バトル】

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規制緩和は諸刃の剣

   グローバルにみれば、GAFAをはじめとする巨大IT企業がいつFinTechを主軸に既存の銀行を駆逐するかわからない。直近では、ゴールドマン・サックスが日本で銀行免許所得したように、莫大な資金・ノウハウ・人材を抱える外資系もこぞって参入する。規制が緩くなることは、改革しやすくなるだけではなく、守られなくなることでもある。ふくおかフィナンシャルグループの「ゼロベースで設計するデジタルバンク」=みんなの銀行のように常に新たな可能性を模索する姿勢なしには、地銀に勝ち目はないだろう。

   最後に、もう一度地銀を株式の面からみてみよう。「日生や第一、地銀株売却」(日本経済新聞2021年6月6日付)とあるように長年、大口安定株主であった保険会社が相次いで売却すれば、たとえ市場外の取引でも大きな影響をもたらす。

   銀行株全体としては、米10年債利回り動き次第だろう。投資家のウエイトとしては、従来のテーパリングに向けて、オーバーウエイトないしはニュートラルとしていたものが、ここのところ10年債利回りが需給に押され低下していることも受け、決算に関わらず、アンダーウエイトとする動きにみえる。

   経営環境・株式需給がともに厳しいなか、地銀はどのように戦略を練るのか。生き残りをかけた改革が始まっている。

   したがって、地銀株は様子見としたい。

   また前回、短期運用とした「玉井商船(9127)」を9月22日の終値2884円で売却した。

玉井商船(9127)
年初来高値(2021年8月18日)    3330円
年初来安値(2021年1月4日)      600円
株式取得時の株価(2021年8月11日) 1034円
取得株数               1300株
売却時の株価(2021年9月22日)    2884円
売却株数               1300株
1株あたりの利益       プラス1850円(騰落率+178.9%)

八田 潤一郎 (はった じゅんいちろう)
慶應義塾大学 八田 潤一郎 (はった じゅんいちろう)
慶応義塾大学法学部政治学科2年。学生投資連合USIC代表。
小学生の時に株式投資を始め、アベノミクス相場で大きく資産を増やすも、2015、16年のチャイナショック、18、19年の米中貿易摩擦を経て、機関投資家や地合いの影響を比較的受けにくいニッチな小型銘柄の長期投資にシフト。20年のコロナショックで分散投資とリスクヘッジの重要性を認識し、FX、不動産、暗号通貨、コモディティ、デリバティブを新たに運用しながら、毎日勉強中。金融を学ぶ「おもしろさ」、投資の「楽しさ」を多くの人に知ってほしいと願う。
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