東京五輪に反対した人、じつは思っていた以上に感動していた! 鹿児島大学の研究で判明

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反対派は最初の期待が低かった分、大いに感激した

――なるほど。実際、そのとおりになりましたね。「東京五輪に対するポジティブな感情の盛り上がりを示すグラフ」=下グラフ参照=を見ると、反対の度合いの高かかった人ほど、感激の度合いが上昇しています。一方、賛成の度合いが高い人ほど、あまり感激のカーブが上昇していません。これはなぜですか。

榊原さん「ひと言でいうと、反対派は最初の期待値が低かったからです。最初はクールだったのに、テレビを見ているうちに『選手がよく頑張っているな』『競技も意外に面白いね』と感動する余地が残っている分、心変わりの振れ幅が大きかったのです。しかし、賛成派は最初から期待値が高かったため、それ以上、感動する余地があまり残されていなかったということです」
グラフ:東京五輪に対するポジティブ感情。反対の度合いが高い人ほど感激カーブが上昇する(鹿児島大学研究チーム提供)
グラフ:東京五輪に対するポジティブ感情。反対の度合いが高い人ほど感激カーブが上昇する(鹿児島大学研究チーム提供)

――しかし、反対派なら、東京五輪のテレビ番組など見なければいいではないですか。

榊原さん「どこのチャンネルを回しても東京五輪をやっているので、そういうわけにはいかなかったと思います。
ただ、この研究結果で誤解してほしくないのは、『反対だった人のほうが、賛成だった人より東京五輪を楽しんでいた』という解釈です。グラフを見ればわかりますが、感激の指数の水準は賛成派のほうが、反対派よりみんな高いです。もともと反対派だった人は、その分、東京五輪を見直して心変わりする割合が多かったということですね」

(福田和郎)

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