トルコリラ、下落リスク再燃か!? エルドアン大統領の「利下げ圧力」に耐えるTCMB総裁の頑張り(志摩力男)

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ついに利下げか! 9月23日、注目のTCMB理事会

   コアインフレ率とは、インフレ率から価格変動の激しい食品やエネルギーなどの品目を除いたものです。現在、トルコのコアインフレ率は前月の17.22%から低下し16.76%、政策金利19.0%よりかなり低いところにあります。

   9月8日のカブジュオール総裁の発言で、TCMBは今後コアインフレ率を重視していくので、利下げの可能性が高まったと見られています。この日、トルコリラ円は13.2円前後から12.9円前後へと急落しました。

   前回のコラムで、高インフレをまねき「史上最低のFRB議長」といわれたアーサー・バーンズ氏を紹介しましたが、コアインフレという概念を生み出したのも彼です。通常、普通のインフレ率よりもコアインフレ率はかなり低くなります。

   9月23日に、次のTCMB理事会が開かれます。コアインフレ率を重視するならば、ついに利下げすることになります。エルドアン大統領は喜ばれるでしょう。しかし、圧力を受けて、インフレに対する見方を意図的に緩めたことになります。

   高インフレに負けない姿勢を取っていたから、トルコリラは反発していました。エルドアン大統領の介入があからさまに影響を与えたとなれば、投資家の目線は厳しくなるでしょう。再度のトルコリラダウンサイドリスクに注意です。(志摩力男)

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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