東日本大震災の死者たちはどのように葬られたのか?【防災を知る一冊】

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新型コロナウイルスによる死者数も震災並みに

   けさ(2021年9月17日)のNHKのニュースで、新型コロナウイルスによる国内の死者(16日現在1万7045人)は、東日本大震災の死者数(約2万人)に近づきつつある、と報じていた。そして、遺族もきちんと弔うことができないまま亡くなっていったと。

   本書の「はじめに」の記述に思い当たるところがあり、戦慄した。

「コロナ感染によって死亡した人たちのその後がどのように処遇されたのか、現在、ほとんど情報が公にされていないし、調べる手がかりも与えられていない。責任の機関で記録を残しておくことを願うばかりである」

   と北原さんは問題提起している。

   コロナ死の場合、責任の機関とはどこになるのか? 国なのか、都道府県なのか、市町村なのか、はたまた病院なのか。きちんとした記録が残らないまま、コロナ死という大量死が歴史の闇に消えようとしているのではないだろうか。(渡辺淳悦)

「震災と死者」
北原糸子著
筑摩書房
1870円(税込)

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