「営業成果の法則」における5つのステップの初期段階での重要なポイントを、前2回で大関暁夫さんが説明してくれました。具体的には、営業ターゲットに対してセールスの糸口を掴む「予備調査」と「カットイン」の解説でした。
リアル営業では、「予備調査」で仕入れた相手先情報を駆使して、初めて接触する相手のガードを下げることが肝である、という内容でした。ところがオンライン営業の場合、この「予備調査」と「カットイン」で躓き先に進むことができずに断念するケースが多いのです。
今回は、オンライン営業における「予備調査」と「カットイン」のリアルとの違いと有効な方法について、具体例をまじえて説明します。
オンラインでの「カットイン」は営業知識をフル回転!
リアル営業での「予備調査」は対面を前提としています。そして、その「予備調査」で得た相手先情報を駆使しながら話をして、初対面時に相手のガードを下げることが所期の目的となっています。
対面した際には、「礼儀正しいし、清潔感もある」と印象付けるとともに、会話内容から「うちのことをしっかり調べてきている」「うちに関心をもってくれている」と感じさせることで、親近感を醸成することにつながるのです。
「予備調査」で得た相手情報を使った「カットイン」がうまくいくなら、次なるステップである「ヒアリング」ができる場の空気になって、営業活動はセールスに向け前に進んでいくことになるわけです。
このように対面を前提とするリアル営業では、営業担当者の第一印象と「予備調査」による相手先情報の掛け算で、次なるステップへの壁を打ち破っていくのが、勝ちパターンのセオリーです。
それに対してオンライン営業の新規活動場合、その第一歩は非対面接触が前提となります。非対面接触でのメール「カットイン」では当然、第一印象で場の空気を作ることはできませんし、相手先情報を駆使して親近感を醸成することもできません。
したがって、オンライン営業における「カットイン」は、相手先情報ではない「営業知識」を活用した複数回のやり取りを経て一定の信頼を勝ち得ていくことを前提としないと、「ヒアリング」のステップに進むことはできないのです。ではオンライン営業では、具体的にどのような「営業知識」をもって「カットイン」していけばいいのでしょうか。メールでの複数回のやりとりを通じて信頼関係を築いた事例を、以下に紹介してまいります。