「東京五輪の赤字」誰が負担する? 「大きすぎて額がわからない」ってアリ?

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組織委「来春にならないと赤字額がわからない」

   一方、大会の運営や施設整備、コロナ対策などのかかった予算の赤字額はどのくらいに膨らむのか。じつは、それがよくわからないのだという。

   日刊スポーツ(9月6日付)「東京五輪決算は来年4月以降、課題山積、赤字は『規模感申し上げられない』」によると、パラリンピック閉会式の翌日の9月6日、東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は会見で、記者たちから「どのくらいの赤字になるのか」と問われて、こう答えた。

「まずは歳入、歳出を詰めて収支差額がどうなるか、数字が出てきてからでないと(赤字の)規模感も申し上げられない」

   「概算の額でもわからないのか?」と突っ込まれても、武藤事務総長はこう突っぱねたのだった。

「(事後処理について)仮設施設の取り壊し、お借りした会場の原状回復を行う。来年3月ぐらいまでかかるものもある。少なくとも、そこまでは収支が確定しない。ほかにも記録の保管、調達した物の処分など諸問題はあるが、おそらく決算は来年の4月以降にならざるを得ないと思う」

   来年の4月頃まで「赤字の規模感」もわからないというのだ。

   しかし、それでは無責任すぎないか。誰が、どのように赤字を負担していくのか。日本経済新聞(9月7日付)「東京五輪・パラ赤字不可避 都や国、補填巡り協議へ チケット収入ほぼ消失」が、その問題をこう解説する。

「今後の焦点は大会収支の確定に移る。多くの会場が無観客となり、900億円を見込んだチケット収入はほぼ消失した。赤字は避けられず、大会組織委員会と東京都、国が補填を巡って12月にかけて協議する見通しだ。国際オリンピック委員会(IOC)と結ぶ開催都市契約との関係上、組織委が資金不足に陥れば一義的に都が補填することになる。それでも補填しきれない場合、国が負担する決まりだ。
都はこれまで、コロナ対策で巨額の費用を投じてきた。財政事情は厳しい。国側は(負担に)慎重姿勢を崩しておらず、調整は難航する可能性がある。3者の協議がまとまる時期について、大会関係者は『12月頃だろう』とみる。
大会予算は延期後に人件費増やコロナ対策などで2940億円が新たに発生し、総額では1兆6440億円まで膨らんだ。組織委員会は大会関連施設などの整備で民間業者と膨大な契約を結んでいる。公費がつぎ込まれた大会の支出が適切だったかどうか、事後の検証は欠かせない」

   そして、日本経済新聞は大会の収支を次のような表で紹介した。

【東京五輪・パラリンピックの収支構造】
◇ 大会組織委員会の収入  6440億円
国内スポンサーの協賛金... 3700億円超
チケット収入.................. 900億円(ほぼ消失)
IOC負担金..................... 850億円
その他(調整金含む)...... 約1700億円
計................................. 7210億円
◇ 支出の分担
組織委員会..................... 7210億円
東京都........................... 7020億円
国................................. 2210億円
総額.............................. 1兆6440億円

   これを見ると、五輪のコストは約1兆6000億円であり、組織委の「収入」を引けば、何となく「赤字の規模感」が出そうな気がするが、日本経済新聞は具体的な赤字額を書いていない。

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