キリンとサントリーは様子見、そのワケは......
一方、キリンビールとサントリービールは「微アル」ビール市場の参入について、今のところ「様子見」のスタンスだ。
キリンホールディングスは、「生活スタイルの変化に伴い、お酒の楽しみ方も多様化している。すぐに追随するものではないが、今後の市場の状況を注視していく」と話し、「当社としては活性化しているノンアルコールカテゴリーでの商品拡売や、Slow Drinkに代表されるような、お酒の楽しみ方の啓発活動を続けていく」とコメント。サントリーホールディングスも、「現時点で決まっていることは特にありません」と言う。
両社が様子見する背景には、「微アル」ビールがアルコール度数1%未満の商品のため、酒税法上は酒類に含まれず「炭酸飲料等」に分類されていることにある。
「微アルコール」とはいえ、大量に飲めばアルコールの摂取量も増えてしまうから、妊産婦や授乳期の女性や子どもを含む未成年者、クルマを運転する人などへの積極的な飲用は勧めにくい。
売り場を確保する量販店なども、他の炭酸飲料と同じ棚に陳列するわけにはいかず、とはいえビール棚に置けば、数あるビールやノンアルコールビールに埋没しかねないなど、消費者への売り込み方は、なかなか難しいようだ。