「四季報」は秋号を読め!
株と言えば、「週刊東洋経済」(2021年9月18日号)が「サプライズと配当成長株で勝つ 株の道場 成長先取り編」と題した特集を組んでいる。菅義偉首相の退陣決定を受けて、TOPIX(東証株価指数)が31年ぶりの高値へ急騰した。日本企業の成長を先取りし、株価上昇を享受する方法を伝授している。
年4回発行される「会社四季報」の中で、最も投資に役立つ情報が載っているのが「秋号」だという。元編集長の山本隆行氏がその活用法を書いている。なぜ「秋号」が情報の宝庫なのか?
それは株価に織り込まれていない、上方修正予備軍を見つけられるからだという。第1四半期(4~6月)に通期の利益計画を上方修正した企業は第2四半期でも上方修正してくることが多いという。2006年以降のデータを調べたところ、その確率は49%だった。
株価に最もインパクトのあるイベントは上方修正だ。決算発表よりも株価が動く。山本氏はこう説明する。
「第1四半期で上方修正した企業の株価は大きく上昇する。が、買いが一巡すると利益確定売りに押されて下がるか上昇一服となることが多い。そこが格好の拾い場だ」
5割の確率で第2四半期での上方修正による株価上昇を享受できる。要は上方修正する前に仕込めばいいのだという。第1四半期決算発表後に発行されるのが「四季報秋号」だから、「秋号」が情報の宝庫となるわけだ。日本郵船、任天堂、不二家の例で説明している。
政局関連では、石破茂・自民党元幹事長のインタビューに注目した。こんな発言をしている。
「マスク不足が象徴しているように、経済において商品価値を高めることのみをよしとし続ければ、国民の生存や幸福に必要な公共財はどんどん欠乏していく。結局、新型コロナでいちばん被害を受けたのは一般国民だ」
「コロナはお金持ちをもっとお金持ちにしただけだった。それを踏まえればGDP(国内総生産)よりも、国民一人ひとりの幸せが実現されているかのほうが大事かもしれないと、考えを進めつつある」
ベストセラーになった斎藤幸平氏の「人新世の『資本論』」から影響を受けたと語り、資本主義の問題を挙げ、コモン(公共財)に着目した変革を考えていきたい、としている。
インタビュー時点では、出馬について明確に語っていないが、14日に不出馬の方向が明らかになった。河野・石破連合ともささやかれており、安倍・菅路線とは異なる経済政策が打ち出される可能性がある。
政局から目が離せない日が続きそうだ。