「政変」で激変! 週刊ダイヤモンドは「東証再編」、東洋経済「株の道場」 エコノミストは「マンション管理」

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   「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」、毎週月曜日発売のビジネス誌3誌の特集には、ビジネスパースンがフォローしたい記事が詰まっている。そのエッセンスをまとめた「ビジネス誌読み比べ」をお届けする。

   9月13日発売の「週刊ダイヤモンド」(2021年9月18日号)は、巻頭に「株式市場に激震 菅政権崩壊 自民党動乱」という緊急特集を組んでいる。河野太郎ワクチン担当相、岸田文雄前政調会長らのうち、いったい誰が自民党総裁選を勝ち抜くのか。株価にも直結する大混戦の行方と候補者の景気対策・経済政策を検証している。

  • 週刊ダイヤモンドは巻頭で「株価を直撃! 自民党総裁選」を特集した
    週刊ダイヤモンドは巻頭で「株価を直撃! 自民党総裁選」を特集した
  • 週刊ダイヤモンドは巻頭で「株価を直撃! 自民党総裁選」を特集した

東証1部上場の664社に迫る大淘汰

「週刊ダイヤモンド」2021年9月18日号
「週刊ダイヤモンド」2021年9月18日号

   政治コラムニストの後藤謙次氏は「河野・石破の『薩長同盟』成立なら9年続く『安倍・麻生体制』終焉へ」と見ている。事実上は河野氏と岸田氏の一騎打ちとなり、「石破が引けば、一発目で、党員票をバーッと取って河野に決まる可能性がある」という閣僚経験者の声を披露している。

   岸田氏は同誌の単独インタビューに応じ、「分配を強化し、アベノミクスを進化させる」という「所得倍増計画」について語っている。コロナ経済対策は30兆円規模で、2%インフレ目標は維持するとしている。

   野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は、構造改革の是非で立候補者は二分される、と見ている。安倍、菅政権の下で構造改革は進展せず、構造改革の推進で最も積極的なのは河野氏だという。そして、「首相交代を契機に、日本経済が抱える最大の課題である低い生産性を解消するような構造改革が、コロナ対策と一体的に推進されることが望まれる」と期待を語っている。

   また、JPモルガン証券チーフ株式ストラテジストの阪上亮太氏は、「誰が新総裁でも、政局のほかに日本株に好影響を与える3つの追い風がある」と分析している。その3つとは(1)FRB(米連邦準備制度理事会)によるテーパリング(量的緩和縮小)開始をにらんだ米国の長期金利の上昇(2)緊急事態宣言明け後の国内経済再開期待の高まり(3)コロナ治療薬を巡るニュースフローの増加による一段の経済正常化期待という要因だ。

   さて、本来の第1特集を見てみよう。「東証再編 1部上場664社に迫る大淘汰」というおどろおどろしいタイトルが付いている。2022年4月4日、東京証券取引所の1部、2部、マザーズ、JASDAQから成る市場体制が廃止され、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編される。

   新たに最上位市場となるプライムの基準に満たない1部上場企業は7月9日時点で664社にのぼるという。淘汰される企業と生き残る企業はどこか。さまざまな角度から再編劇を追っている。

   三菱重工業が、東証1部に上場する子会社について上場廃止の検討を進めていることや近鉄グループホールディングス(HD)と近鉄百貨店の親子上場問題の行方、日本郵政とゆうちょ銀行の自立協議問題などを取り上げている。

   流通時価総額100億円未満の企業は門前払いとなる。同誌が独自試算で転落間際の300社を判定。ワーストランキングを実名で掲載している。誰もが知る有名企業の名前が多数並んでおり、行方が注目される。

   しかし、プライム落ちで何が悪い? 「スタンダードで十分」という企業も少なくないという。「安定株主であり、会社のアイデンティティーそのものである創業家の存在を、プライム落ち回避のために、ないがしろにしたくない」「資金調達なら、今は銀行借り入れのほうがコストが安い」などの声を紹介している。

   プライム落ちする企業が出る一方で、現在の下位市場の中から、プライムに鳴り物入りで昇格する企業も出る。期待度の高い企業69社を取り上げている。1位は18年6月にマザーズに上場したフリーマーケットアプリ最大手のメルカリだ。同誌の試算では時価総額は8000億円超となる。2位は、日本マクドナルドホールディングス(HD)。01年7月の上場以来、長らくJASDAQ上場を維持してきたが、プライムに昇格する実力は十分だと見ている。今後の株式投資の参考になりそうだ。

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