「家族を分断する転勤命令を出した会社に疑問」
一方で、「私も単身赴任をしてもらった」「ワクチンを接種し、落ち着いてからゆっくり行けば」と、投稿者に共感を寄せる意見も。
「産後1年経っていないのに、厳しいご意見が多いですね。私がその頃にそんな言い方をされたら産後ウツがひどくなっていたかも(汗)。私も単身赴任夫の妻ですが、ネット環境を整えてテレビ電話をつなぎっぱなしのようにすれば、一緒にいるのとほぼ変わらない状態にできます。子どもとの会話に夫の存在を積極的に出すようにしています。何かある度に『パパにも教えてあげようね』というように。これでうちの子はパパ大好きです。単身赴任夫が寂しいからと浮気したら、付いて行かなかった妻を責めるのはお門違いです」
「私なら、まず旦那さんに先に行ってもらって、赴任先での環境に慣れ、近くの小児科の場所や幼稚園の雰囲気などを調べてもらい、ついて行くかはゆっくり考えます」
「夫が単身赴任のままコロナ禍に突入しました。最初の頃は自宅に帰る時に、会社から厳しく制限がかけられていましたが、今では縛りは一切なく、2週間ごとに帰ってきています。赤ちゃんはそろそろママからもらった免疫が薄れる月齢。『せめて免疫ができ始める1歳までは今の環境から動かしたくない』と説明し、帯同は来春以降にしてもらうのがよいでしょう」
専業主婦が夫の転勤について行かないのは「わがまま」かどうか、今回の投稿をめぐる論争について、J-CASTニュース会社ウォッチ編集部は、女性の働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに意見を求めた。
――今回の投稿と回答者たちの返事を読み、率直にどのような感想を持ちましたか。
川上敬太郎さん「投稿者さんのお気持ちもわかる気がしますし、夫に単身赴任させるのは甘えだと叱咤激励する回答者さんたちのご指摘も、それぞれの経験から感じたことを率直に伝えようとしているのだろうと思いました。ただその前に、そもそもの話として、家族を分断することになる転勤命令を出した会社側に問題はないのか、という点に疑問を感じました。
『これまでの常識』感からすると、ごく当たり前の転勤命令だと思います。全社の人員配置や各社員のキャリア形成などを考え、悪気なく転勤を命じているのだと思います。しかし、そのことで社員自身はもちろん、ご家族にまで大きな負担をかけることが往々にしてあり得ます。その負担に耐えることが『これまでの常識』でしたが、夫婦共働きの家庭が増え、働き手の価値観が多様化している中で、有無を言わさぬ転勤命令は時代にそぐわなくなってきています。テレワークも推奨されている中で、今回転勤することになった背景が気になりました」