「サントリーがやればメリット、デメリットがわかる」
こうした議論があるからこそ、千葉商科大学国際教養学部准教授で社会格闘家の常見陽平氏は、新浪氏にこう呼びかけるのだった。
「新浪さん、まずはサントリーで『やってみなはれ』。これでメリット・デメリットが明らかになります。早期退職制度という意味で、企業で既に導入されているとも言えますし、社会全体に関わる話なのか、選択的導入なのか、日本の『雇用終了』にメスを入れるのか。論じ方が変わってきます。
二重、三重にこじれた話であり、すでにそうなっています。就活生の頃や若い頃は輝いていたのに、働かないオジサンが増えると言われる企業社会に一石を投じるものでもあります。45歳までは組織内で合った仕事を探し、それ以降は管理職を目指すか専門家になるか選択するという働き方にも見えます。一方で、新種のリストラ策にもなりえます。人手不足の中、社員を手放すのかとも。
なお、この手の話は、よくリクルートが事例になりますが、もう約20年前に見直しています。東大の柳川先生が40歳定年本を発表したのが2013年(編集部注・柳川敬之著『日本成長戦略 40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日』)。環境の変化も含め議論したいです」
非常に示唆に富む提案だ。大事な議論を深めるためにも、まずサントリーで実験的に「やってみてほしい」というのであった。
(福田和郎)