わかりにくい!? 「イオンペイ」と「WAON」の決済機能
ただ、PayPay(ペイペイ)のような主力スマホ決済が志向している、一つのアプリの中にさまざまな機能を搭載する「スーパーアプリ」とは方向性が異なる。
グループ企業のアプリは存続しながら、アイイオンが「入り口」としての役割を果たす形となる。現にアイイオンのサービスが始まってから5日後、グループのコンビニエンスストア「ミニストップ」が初の公式アプリの提供を始めた。こうした使い勝手が利用者にどれだけ支持されるかは未知数で、使いにくいと判断されればそれまでだ。
アイイオンの機能に「モバイルWAON」を加えた点も利用者を戸惑わせている。イオングループが2007年に始めた電子マネー「WAON」をスマホに搭載して、店舗の端末にタッチして決済できるようにするのが「モバイルWAON」だが、一つのアプリに、イオンペイとWAONという二つの決済機能を併存させる狙いのわかりにくさは否めない。
結局、アイイオンが広く受け入れられるには、イオングループをお得に利用できるクーポンなどの特典をいかに提供するかが鍵になりそうだ。
バラバラだったクーポンを一括して利用できる利便性に加え、アイイオンだけで提供するクーポンも打ち出して、アイイオンを使うかどうか迷っている利用者を地道に引き込んでいくしかない。中途半端に終われば、イオン関連のアプリがまた一つ増えるだけになりかねない。(ジャーナリスト 済田経夫)