コロナ禍の雇用への悪影響は続く
女性の場合には65歳以上で90.4%が、男性は74.4%がパートタイム労働者となっている。これは、男女とも、特に男性の高齢者雇用が正規社員としての定年延長ではなく、非正規社員での再雇用などによって行われていることの証明でもあろう。
最後に、産業別で前年比入職者が多かったのは情報通信業3万4000人増、建設業2万5000人増、運輸業、郵便業の1万6000人増だったのに対して、少なかったのは宿泊業、飲食サービス業44万4000人減、卸売業、小売業39万6000万人減、製造業16万3000人減だった。
一方、離職者が多かったのは運輸業、郵便業3万6000万人、サービス業(他に分類されないもの)2万2000人、建設業1万1000人だった。
2020年度の雇用動向を見る限り、コロナ禍は確実に雇用に悪影響を与えており、特にパートタイム労働者に大きく現れている。いまだに新型コロナウイルスの収束が見えない以上、コロナ禍の雇用への悪影響は続くと考えられる。(鷲尾香一)