本書では、日常の中であまり認知されていない「口もと」の果たす大切な役割について説き、生活習慣、病気、免疫力、恋愛、メンタルという切り口で、「口もと」が、どう人の運命に影響しているのか、わかりやすく解説します。
前歯がない人は胃腸の調子が悪いなど、歯や歯茎は、内臓の調子と深いつながりがあります。噛むための筋肉は、幸せホルモン「セロトニン」を分泌するほか、免疫や代謝に影響します。人間は、言葉を交わして人とつながり、口からごはんを食べてカラダをつくります。口もとはカラダの内外と関わる、重要なボーダーラインなのです。
「強運は口もとから ~メンタル歯科医が教える47の幸せ習慣 」(松谷英子著)みらいパブリッシング
口もとを変えると何が起こる!?
「口もと」を変えることで、なぜ未来が変わるのでしょうか――。著者の松谷英子さんは、「口もと」を意識することで、自然と摂取する食事や、言葉の使い方にも気を配れるようになると言います。口もとを変えればすべての未来が変わるのです。
ここで、ひとつのワークを提示します。
松谷さん「あなたは自分の死を、リアルに想像したことがあるでしょうか? このワークは極めて、効果的な心理療法でもあり、有名なベストセラー本のスティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』にも取り上げられている療法の一つです。想像してみてください。あなたはすでに死んでしまい、今日があなたのお葬式の日です」
「自分の魂がカラダからでてしまい、意識だけが宙に浮かんでいます。あなたは自分のお葬式を上から見ています。あなたは皆から、どのように言われているでしょうか? というワークです。弔辞を想像してもらってもかまいません。親しい人や家族が、あなたの生前をどのように話しているのかを、思い浮かべるのもよいでしょう」
この手法は、過去から現在を客観視するワークとして知られています。多くの研修会社やコンサルティング会社がメソッドとして取り上げています。筆者も、このワークを受けたことがありますが、自らの人生を客観視する有効な手法だと考えています
松谷さん「『〇〇さんはとても愛情深く、プライベートでも仕事でも多くの仲間に囲まれて、本当に素晴らしい人生を送ったと思います』と言われるのか。『〇〇さんは仕事に忙しく、カラダにムチ打って頑張っていたので、人生の最後には家族と共にゆっくりと過ごせなかった。心残りでしょう』と言われるのか? これは大きな差だと思うのです」
「口腔内にすんでいる細菌を甘く見ていると、人生の終末には『寝たきり人生』になってしまいます。人生の中盤であっても、慢性疲労やアレルギー疾患など、大変な苦労が待っているのです」
口もとは人生に影響を与える
口の中の常在菌、特に歯周病菌は、「全身疾患の病気」「うつ病などを代表とする精神疾思」を引き起こすと多くの研究で立証されています。
松谷さんは、こう言います。
「あなたが、人生の最終章で、健康なこころとカラダを手にいれ、理想の人生を送りたいのであれば、このワークの弔辞を想像し、書き出してください。そうすれば、あなたの人生は理想的なものになる準備ができた、ということになります」
「口腔内の環境、言葉、食事などを見直していくことこそが、人生そのものを豊かにし、周りにも元気を与えられるようになります。口もとって、あらためてスゴイ場所だと思いませんか?」
「口もと」と美しさ、健康が関連しているという話はよく耳にしますが、カラダの内と外、ひいては運命までも影響を与えるほど大切な器官だと伝える本はありませんでした。これまで知られることのなかった「口もと」の力を、3万人以上の患者と向き合ってきた歯科医が紐解きます。
本書では、3万人以上の患者を診た歯科医が、人生の中枢と言える口もとにどう向き合い、ケアし、コントロールするかを伝えています。
「口もと」を整えるだけで、内臓、免疫、代謝などあらゆる体内環境を改善できます。誰でも今日からできる習慣を日々の生活に取り入れることで、本来自分が持つ美しさや魅力を取り戻せるはずです。(尾藤克之)