どうなるデジタル庁! 波乱の「船出」 生みの親・菅首相退陣、人事などトラブル続出

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デジタル監の石倉洋子氏は経営戦略の専門家

   デジタル庁の事務方トップに当たる「デジタル監」人事も混乱した。政府は当初、米マサチューセッツ工科大メディアラボの伊藤穣一元所長の起用を検討したものの、性的虐待などの罪で起訴された米国の富豪から資金援助を受けていたことが問題化した。

   J-CAST会社ウオッチ「菅政権肝煎りの「デジタル庁」に早くも暗雲? 事務方トップに伊藤氏 米MIT時代に少女虐待被告から資金援助のキズ」(2021年08月12日付)で詳報した。そんなこんなで伊藤デジタル監構想は頓挫。結局、デジタル庁発足直前、急きょ、一橋大学の石倉洋子・名誉教授に就任を要請するドタバタ劇を演じた。

   デジタル監として組織を率いる石倉氏は経営戦略の専門家。政府関係会議の委員に加え、著名企業の社外取締役を複数務めるなど豊富な経営知識を誇るが、デジタル分野に特化した経歴ではない。

   就任直後には自身の個人ブログで、画像販売サイトに掲載されていた複数のサンプル画像を無断使用していたことが発覚するなど、早くも脇の甘さを露呈し、先行きに不安を残した。

「思い切ってデジタル化を進めなければ、日本を変えることができない」

   6日に首相官邸で開かれた政府の「デジタル社会推進会議」初会合で菅首相はこう強調し、12月中にデジタル社会構築に向けた新しい重点計画を閣議決定するよう指示した。デジタル庁は新型コロナウイルスのワクチン接種歴を証明する「ワクチンパスポート」の電子化などを担うことになる。

   しかし、12月の閣議決定時には菅氏は首相の座にいない。取り残された形のデジタル庁が「司令塔」として霞が関をけん引できるかは新政権の方針次第という状況だ。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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