王子HD株、パルプ価格下落で投資家の「売り」呼ぶ 8月末の年初来安値からの反転難しく

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パルプ市況 中国向けが高騰の後、低迷

   9月に入って、首相退陣を好感するなど株式市場全体として上昇基調にあり、日経平均株価の終値は、9月6日が1日に対して4.2%高いが、王子HD株は同期間に0.3%安だった。

   関係者によると。パルプ市況は中国向け広葉樹が3~4月に1トン当たり広葉樹770ドル、針葉樹970ドルに高騰したのち、7月以降にそれぞれ650~700ドル。840~860ドルに低迷。ただ、下がったとは言っても前年よりは幾分高い水準という。王子HDは主にブラジルで生産したパルプを中国で販売している。

   足元の中国で紙の実需が減退しているわけではないが、中国当局による実質的な取引のコントロールがパルプ価格の乱高下を招いているようだ。

   大和証券が8月26日付のリポートで、「短期的にはパルプ価格の動向を注視したい」などと指摘するなか、当面は投資家が手を出しづらい銘柄とみられる可能性もある。(ジャーナリスト 済田経夫)

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