今春のトラブル「二度と起こさない」と誓ったのに......
じつは、この障害は21年になって5回目で、これとは無関係に3日後の8月23日にも6回目になるシステム障害が発生。全国で最大130台のATMが一時停止した。
みずほ銀行の今年のトラブルは、2月28日に4318台のATMが停止したのを皮切りに、3月3、7、12日と立て続けにATMが停止、ネットバンキングや外貨建て送金などの取引ストップや遅れが起きていた。
6回のトラブルはATM、ネットバンキング、外国為替などさまざまな取引にかかわるが、共通するのは、障害発生時のバックアップが機能しなかった点だ。いうまでもなく、銀行業務は預金、送金、融資のほか投資信託や保険の販売など多岐にわたる。
顧客情報の管理、融資の審査、不正の監視など日々、膨大な情報を処理している。コンピューターのシステムである以上、一定のトラブルは起こりえる。発生に備えに、各金融機関は二重三重のバックアップ体制を敷いているが、みずほ銀行はうまく機能しなかった。
金融庁は春のトラブルの際に数次にわたり銀行法に基づく「報告命令」を銀行と、親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)に対して出したのに続き、今回も同様に命令し、みずほFGなどは8月31日に報告書を提出した。
春のトラブルでは、みずほは第三者委員会を設けて6月に報告書をまとめ、50項目以上にわたる再発防止策を発表し、みずほFGの坂井辰史社長は「二度とこのような事態を起こさない」と誓っていた。
今回、8月31日の報告書では、19~20日のトラブルの引き金となったディスク装置の故障の理由を特定できず、「さらなる調査や確認が必要」とするにとどめ、継続して調査するとともに、バックアップに失敗した場合の復旧手順を整備する方針を示した。