モバイル通信「無料メッセージ」の王者LINEの牙城が崩れるか?
NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話大手3社が束になって、この分野に挑もうとしている。
2021年9月2日、大手3社がこれまで共同で提供してきたメッセージサービス「+(プラス)メッセージ」を、格安スマホなどのユーザーにも拡大すると発表した。
ネット上では「これで『+メッセージ』が使いやすくなる。LINEの呪縛から逃れられるかも」と期待が高まっているが......。
格安スマホを巻き込んだ「反LINE」連合なるか
この携帯電話大手3社の動きを朝日新聞(9月3日付)「+メッセージ、格安スマホでも 携帯大手3社、来春までに」が、こう伝える。
「NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話大手3社は9月2日、メッセージを電話でやり取りできる共同運営のサービス『+メッセージ』を格安スマホ事業者(MVNO)なども利用できるようにすると発表した。来春までに順次、使えるようにするという。
新たに利用可能になるのは大手3社の回線を利用する格安スマホ事業者と、UQモバイル(au)やワイモバイル(ソフトバンク)などの各社のサブブランド。楽天モバイルは対象外だ」
これまで、「+メッセージ」のサービスは、大手3社は自社の主ブランドにしか提供してこなかった=上の図参照。それを、auなら「UQモバイル」、ソフトバンクならは「ワイモバイル」と自社の格安のサブブランドにも提供したうえ、自分たちの通信回線を使っている多くの格安スマホ会社にも拡大するというのだ。大手3社だけによる「+メッセージ」の囲い込みをやめて、大連合でLINEに対抗しようというわけだ。
そもそも「+メッセージ」は、2018年5月に大手3社で提供を始めた。ショートメッセージサービス(SMS)の進化版で、2730文字までの文章と画像、動画を送れる。電話番号がわかればメッセージを送れるシンプルさが売り。2021年7月時点で約2500万人が利用しているという。
iPhone、iPad向けに提供していたアプリのサービスだったが、Androidでもできるようになった。「+メッセージ」のアプリをダウンロードして利用する必要があるが、パケット通信になるので、1通でいくらという課金はない。Wi-Fi環境で使えば無料となる。