駅でも! 鉄道各社、テレワーク対応続々
JR東日本も東北新幹線「はやぶさ」にテレワーク専用車両を設ける実証実験を2月と6月に実施した。社内での会話が漏れるのを防ぐため、話し声を聞こえにくくする特殊な音を流すような実験も行い、導入方法などを現在、検討している。
車両だけではない。JR東海は9月から順次、東京駅や名古屋駅、新大阪駅の一部の待合室に、半個室タイプのビジネスコーナーを設置し、無料で提供を始める。電話ボックスのように仕切られたブースで、急な仕事が入った場合も周囲の目を気にせずパソコンなどに向かえそうだ。コンセントを差し込んで電源がとれるコンセントポールも順次整備していく方針だ。
私鉄でもテレワークに対応する環境整備を進めており、小田急電鉄は今春、一部の駅の改札付近にあったATM(現金自動預け払い機)を撤去した跡地を活用し、テレワーク用の個室を開設するなどしている。
テレワークに配慮した手厚い対応が新幹線にまで広がっているのは、自宅などで仕事をする人が増えたことで、鉄道利用者、特にビジネス客が激減しているためだ。多くの鉄道関係者は、テレワークなどの新しい働き方は今後も定着し、コロナ後も以前と同じ需要は戻りそうもないとみている。
需要減が避けられない流れだけに、手をこまねいていたら、将来は危ういという危機感は各社に共通する。今後も多彩なサービスが広がる可能性がある。(ジャーナリスト 白井俊郎)