予定が重なり取引は見送り(慶応義塾大学 2Gさん)
FX大学対抗戦14週目。そろそろ8月も終わりを迎える。つまり、雇用統計の発表がすぐ先ということだが、今週(8月23日週)は取引しなかった。チャートに張りついてトレードしたかったが、今週は予定が重なり、見送ることとした。
来週、取引を実際にするかは未定だが一応今週の流れと今後の動きはまとめたい。
◆ 今週(8月23日週)の流れ
今週は、ジャクソンホール会議での金曜日のFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長講演に注目が集まった。事前の見通しでは年内のテーパリング(量的緩和の縮小)開始への期待感が強く、前週末までは為替市場ではドル買いの動きが優勢だった。
しかし、一連の米国経済指標に陰りがみえたことや、新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大が不安材料となり、次第に慎重姿勢を示すとの思惑が広がった。
今週に入ってからは、米国株は堅調な動きをみせ、ドル売り方向の動きが強まっている。ただ、直前の26日(木)にはブラード・セントルイス連銀総裁やジョージ・カンザスシティー連銀総裁がタカ派の意見を主張し、株式市場が不安定化。さらに、アフガニスタンのカブールで2件の自爆テロが発生と、地政学リスクも加わった。
そして、27日(金)のパウエル議長の講演では、市場が注目したテーパリング開始について、年内開始が適切になりうると発言し、年内でのスタートを示唆した。しかし、利上げについては、テーパリングが利上げの直接的なシグナルではない、基準は厳しいものになると発言し、慎重姿勢を維持。ドルはテーパリング開始期待で瞬間買いも、すぐに売りに回る展開となった。
◆ 今後の動き
今回の雇用統計だが、非農業部門雇用者数の予想は75万人増となっている。前回から伸びが少し鈍化するが、民間部門の雇用は70万人増の見込みと、前回の70.3万人増とほぼ同水準である。政府部門は特殊要因の部分が大きいため、ほぼ前回と同じような状況といえる。失業率は5.2%と前回からさらに下がる見込みとなっている。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
9月の雇用統計は、テーパリング(量的緩和の縮小)開始時期を占う意味で非常に重要です。事前に発表されたADP雇用統計は大きく悪化したものの、コロナショック以降に雇用統計とのブレが大きくなっているため、さほど懸念しているトレーダーもいない可能性があります。
FRB(米連邦準備制度理事会)のウォーラー理事の発言を基準とすると、80万人~100万人の非農業部門雇用者数が維持できれば、10月のテーパリング開始も考えられます。なお7月の雇用統計では、複数の州で失業給付が切れていましたが、その影響は軽微でした。
前月の修正を加えて、7、8月で160万人以上の雇用増が確認できるかどうかがドルの方向性を決めるひとつの基準となるのではないでしょうか。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月27日現在 111万4000円