今週(2021年8月23日週)、学生トレーダーが注目したのが米ジャクソンホールでのFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の発言。テーパリング(量的緩和の縮小)の動向が気になるなか、早稲田大学のNAKAMURAさんは、米ドル円でしっかりプラスを確保した。
これまでメキシコペソで利益を増やしてきた一橋大学のボンゴレさんは、再び買うタイミングを迷っていたが、今週は「細かく利益を狙ってみよう」と、活発に取引。コツコツと利益を積み上げた。
慶応義塾大学の2Gさんと明治大学の佐藤諒さんは取引を見合わせ。共に、「これからは雇用統計が影響してくる」とみて、来週に臨む。
テーパリング気になるが... プラス確保(早稲田大学 NAKAMURAさん)
FX大学対抗戦をご覧のみなさま、こんにちは。早稲田大学3年のNAKAMURAです。
まず、今週(8月23日週)の振り返りをしていきます。8月19日12時40分(GMT/グリニッジ標準時、プラス0)に買っていたドル円を、8月23日12時24分(GMTプラス0)にsell(売り)決済し、プラス1万590円の利益となりました。
全体ではスワップ(ポイント分647円)含め、現在97万5637円でした。そして、8月24日10時18分に0.3Lot buy(買い)して、現在の評価損益はプラス2880円となっています。
日本時間 8月28日3時には米ジャクソンホール会議でのFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の発言が伝わり、テーパリング(量的緩和の縮小)の年内開始をさらに強調した形となりました。
インフレ面での条件「重要な進展」を満たし、雇用面でも不十分ながら前進したと評価した上で、デルタ株など不明確要素が残るために、9、11、12 月いずれのFOMC(米連邦公開市場委員会)で決断するかの言明は避けました。また、
今後の資産購入の縮小の時期とペースは、利上げの時期に関する直接的なシグナルを伝えることを意図したものではないとし、持続的なインフレが深刻化すれば、政策手段を駆使するとしています。
このように、パウエル議長の発言はある程度は市場の予想範囲内であり、反応も特別大きなものは見られなかったとはいえ、ユーロドルが上昇したことからも、市場はハト派の印象を受けたように思われ、ドル安、円安、株高のそのままリスクオンの流れとなっています。
パウエル議長の発言前には、複数のFED(連邦準備制度)のメンバーから早期のテーパリング開始を主張する旨の、けん制ともとれる発言が相次いでいました。年内にテーパリングが行われるとすれば、9月にアナウンスして11月に開始か、11月にアナウンスし、12月に開始とみるべきでしょう。
いずれにせよ、9月の雇用統計には特に注意して、今後の取引に臨みたいです。円安とともにドルの上値も重く、上昇幅は限られるため、その点を含めて9月は慎重に中長期トレードをしつつ、指標は大きく振れる可能性が高いので、短期トレードも上手く活用していきたいです。
今週の損益は、ドル円で8月23日にプラス1万590円、スワップポイント分647円。合計でプラス1万1237円でした。
◆ 児山将のワンポイントアドバイス
米ジャクソンホール会議は満額回答と言える結果になったかといえます。パウエル議長は、ハト派過ぎず、市場予想の年内テーパリング開始を明言しました。
筆者が面白いと思ったのは、株式と為替のアナリストで見解が異なることです。為替アナリストは、11月テーパリング開始の予想が多くなっているようです。一方で、株式アナリストは、まだまだ経済指標を見ないと分からない、10月発表の9月の雇用統計も確認する必要があり、場合によっては1月の開始もあり得るという見方もあります。これは、テーパリング開始でドル高になることで相場が動いてほしい為替トレーダーと、株式市場が崩れるのを恐れる株式投資家の都合が入っている影響もありそうです。
前週からの損益 プラス1万1237円
8月27日現在 97万5637円